2026年8月7日、米国の主要経済指標の発表や貿易政策の動向を控え、市場では金融政策の行方に対する関心が高まっています。長期金利の低下やドル安を背景に金などの貴金属価格が上昇する一方、労働市場の動向が今後の利下げ判断を左右する重要な鍵となっています。
米国の金利低下と貴金属市場の反応では、スポット金が1.8%上昇して1オンスあたりUS$5,111.30となり、4月限の米金利先物は2.1%高の$5,136.50を記録しました。スポット銀は前日の3%超の下落から一転して6.6%高の$85.98となり、プラチナは4.8%高の$2,187.30、パラジウムは3.5%高の$1,767.10となりました。
Bitcoin Eyes Upside Breakout Ahead of US July Nonfarm
外為市場では、ドルが約2週間ぶりの安値圏で推移し、ドル建てで取引される商品の割安感が海外の買い手を呼び込みました。ジュリウス・ベアのアナリストであるカルステン・メンケ氏は、ここ数日の取引日で米ドルがやや弱含んでおり、それが金価格を後押しし、本日の価格上昇につながっている可能性が高いと指摘しています。
労働市場の減速と連邦準備制度の利下げ観測に関しては、米労働省の非農業部門雇用者数(NFP)レポートや失業率データが注目されました。労働省が発表を控えていた雇用統計に関しては、エコノミスト調査において前月から雇用増加のペースが鈍化していることが示唆されていました。CMEグループのFedWatchツールによれば、投資家は2026年に少なくとも2回の25ベーシスポイントの利下げを予想しています。UBSのアナリストであるジョヴァンニ・スタウノヴォ氏は、本日後半に確認される見込みの米国の雇用増加ペースの鈍化への期待が、FRBが年内の利下げを継続できるという主張を後押ししていると述べ、労働市場の軟化が利下げ継続の論拠を補強しているとの見解を示しています。
Gold rises as U.S. dollar, yields slip ahead U.S
財政・貿易政策の不透明感と市場の警戒感では、CMEグループのFedWatchツールによる利下げ予想が背景にありました。10年債利回りは週初に一時5ベーシスポイント以上低下して4.21%となり、2年債利回りも7ベーシスポイント以上下がって3.685%となるなど、政策変更や企業・消費者の動向への備えが意識されました。

トランプ大統領が掲げる高関税政策を巡っては、財務長官のスコット・ベッセント氏が中国側の対応を強く促す発言を行いました。ベッセント氏はCNBCの番組出演時、中国から米国への輸出額が米国から中国への輸出額の5倍に達しているため、緊張を緩和させるのは中国次第であり、120%や145%といった関税は維持不可能であると述べ、現在の高水準な関税維持の難しさを指摘しています。
10-year Treasury yield falls as investors look ahead to
市場では関税引き下げの観測とさらなる引き上げを示唆する発言が交錯しており、通商摩擦の先行きが投資家のリスク選好を左右する最大の変動要因として残り続けています。

暗号資産市場の動向と機関投資家の姿勢では、ビットコインが64,000ドル超で推移し、0.6%下落して64,278ドルで取引される中、米国の機関投資家の動向を示すコインベース・ビットコイン・プレミアム指数ではマイナス圏での推移が80日連続で長期化しており、国内の機関資本が依然として慎重な構えを崩していないことが上値の重さにつながっています。マクロ経済の全容が明らかになるにつれ、リスク資産と安全資産の双方が今後の政策金利の道筋に注目を集めています。