イランが支援するフーシ派によるイエメン国内の軍キャンプおよびサウジアラビアへの攻撃により、イエメン政府軍の兵士少なくとも58人が死亡し、サウジアラビアの民間人11人が負傷しました。軍関係者は、今回の政府軍キャンプへの攻撃は2022年以来で最悪のものだったとしています。
イエメン国内での大規模攻撃と被害
木曜日、フーシ派は弾道ミサイルとドローンを用いて、イエメンのマリブ州およびハドラマウト州にある軍事キャンプを攻撃しました。軍関係者によると、この攻撃で少なくとも58人の政府軍兵士が死亡し、数十人が負傷しました。政府筋は当初、死者は少なくとも30人と発表していましたが、その後、報告によっては58人に達したとされています。また、医療関係者は一時、死者を38人と伝えていました。
フーシ派の軍事報道官ヤヒヤ・サレー氏は、サウジアラビアが支援する大規模な軍備増強が観測されたことへの対応として、政府軍の陣地を攻撃したと主張しました。具体的に、アル・ジョウフ県からマリブ州のアル・ルーク、およびハドラマウト州のアル・シニヤとアル・アブルを標的として8発のミサイルが発射されたと報じられています。フーシ派は、軍事キャンプや武器庫、車両を破壊したと主張しています。
これに対し、イエメン国防省は声明で、武装勢力として適切な場所とタイミングで攻撃に反応すると述べるにとどまりました。また、保健大臣は負傷した兵士を治療するため、医療施設に警戒レベルを上げるよう指示しました。
サウジアラビア民間人への被害と非難
金曜早朝には、サウジアラビア南部ナジュラン州の民間人居住区がフーシ派による無差別砲撃を受け、11人が負傷しました。サウジアラビア主導の軍事連合報道官トゥルキ・アルマリキ少将によると、負傷者はサウジアラビア人7人、イエメン人1人、エジプト人2人、パキスタン人1人で、その中には2度熱傷を負った4歳の子供が含まれています。
アルマリキ少将は、この攻撃が国際人道法に違反する民間人への無差別砲撃であると非難し、民間人を保護するために必要なあらゆる措置を講じ続けると述べました。なお、金曜日の攻撃について、フーシ派およびイランは即座にコメントしていません。
地域的な緊張の高まりと背景
今回の激化は、2月28日に米国とイスラエルがイランに対して開始した戦争にイエメンが巻き込まれている状況を反映しています。サウジアラビアの高官は、イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)の監督下で、イラクの民兵組織とフーシ派が北と南から協調して攻撃を仕掛けてくる可能性が高いとの認識を示しています。米国のインテリジェンスを含む報告によれば、エネルギーインフラ、港湾、空港などの経済的・民間施設が標的になる恐れがあり、ドローンやミサイルの移動も観測されています。


また、イエメン国内では7月13日に、イラン機がサナア空港に着陸するのを阻止するため、イエメン政府が同空港を攻撃したことで緊張が高まっていました。イエメンのアブドゥッラー・アルサアディ国連大使は、その航空機がIRGCに関連しており、人員や軍事・デュアルユース(軍民両用)設備を運んでいたと主張しています。
サウジアラビア側は、フーシ派が紅海を通じたサウジアラビアの石油輸出を妨害している現状を打破するため、海路およびイエメン中部の陸路から大規模な軍事攻勢を準備していると信じられています。一方、フーシ派は先月、紅海におけるサウジアラビアへの海上封鎖を宣言し、サウジアラムコの石油施設への攻撃も強めています。
今後の懸念と外交状況
中東の危機がさらに悪化することへの懸念が広がる中、イランとオマーンはホルムズ海峡に関する合意の起草が「最終段階」にあると述べています。この合意は、米国がイランの港への封鎖を解除することを条件にする可能性が高いとされています。ホルムズ海峡は世界の石油および天然ガスの約5分の1が通過する、世界の海運とエネルギー供給にとって極めて重要な水路です。
攻撃による被害まとめ
| 攻撃対象 | 被害内容 | 詳細 |
|---|---|---|
| イエメン政府軍キャンプ | 死者:少なくとも30人〜58人 | マリブ州およびハドラマウト州でミサイル・ドローン攻撃 |
| サウジアラビア民間人地域 | 負傷者:11人 | ナジュラン州での砲撃(4歳児を含む) |