米上院は2026年7月22日、カタール政府から寄贈されたボーイング747-800型機を新たな大統領専用機(エアフォースワン)として改修するための公金支出を禁止する法案を否決しました。共和党の上院議員らがこの動きを阻止し、改修計画は当面継続される見通しです。
大統領専用機改修をめぐる攻防と公的資金
ドナルド・トランプ大統領が使用する新たなエアフォースワンをめぐり、連邦議会で激しい議論が交わされています。この航空機はカタール政府から寄贈されたもので、その価値は約4億ドルと見積もられています。民主党の上院院内総務チャック・シューマー氏(D-N.Y.)は、この機体を大統領専用機として運用するための改修費用に公金が投入されることに強く反発し、「大統領の私的なぜいたくのために納税者の金が使われている」と批判しました。
セキュリティ上の懸念と政権の対応
この新たなエアフォースワンは、先月ホワイトハウスによって公開されました。しかし、トランプ大統領がトルコで開催されたNATO首脳会議から帰国する際、シークレットサービスの圧力を受け、この新機体ではなく旧来の機体を使用して帰国したことが明らかになっています。これは、新機体に熱線追尾ミサイルへの対抗手段などの適切なセキュリティ強化が欠けているためとされています。
トランプ大統領は7月26日の記者会見で、新機体について「多くの能力を備えているが、理解しているところでは、約1ヶ月後には最大限の改修を行う予定だ」と説明しました。ホワイトハウスのカリーヌ・ジーン=ピエール報道官(※原文ママ、ソースではKaroline Leavitt報道官)は、新機体は「大統領の移動には完全に安全」であるとしつつも、秋にはさらなるアップグレードと強化が予定されており、その期間は1ヶ月間飛行停止になると述べました。
共和党による阻止と核抑止力への影響
この法案を阻止したデブ・フィッシャー上院議員(R-Neb.)は、シューマー氏の法案がカタール製ジェット機以外にも影響を及ぼすと主張しました。フィッシャー氏は、韓国航空から購入された「生存可能な空中運用センター(SAOC)」航空機も対象に含まれると指摘し、この法案が「核戦争時における大統領の安全確保のための重要なプログラム」を阻害すると警告しました。
フィッシャー氏は、「これはアメリカにとって最悪の日に核兵器を指揮・統制するための機体だ」と述べ、国防戦略における不可欠な核抑止力(NC3)に悪影響を及ぼすとして、この法案を「政治的なゲーム」と批判しました。
