サンフランシスコ・49ersのカイル・シャナハンヘッドコーチが、テスラのオートパイロット機能を使用中に正面衝突事故を起こし、重傷を負ったことが明らかになりました。シャナハン氏は記者会見で、この事故の責任は自分にあると認めています。
事故の状況と負傷の詳細
事故は7月14日、パロアルトで発生しました。シャナハン氏が運転するテスラ車が、21歳の女性が運転する車と正面衝突しました。事故当時、車両はオートパイロットモードで時速約20マイル(約32km/h)で走行していましたが、シャナハン氏が後部座席に落とした携帯電話を拾おうとして道路から目を離したことが原因であると本人は説明しています。
この事故でシャナハン氏は入院し、以下の負傷を負いました。
- 脳震盪(のうしんとう)
- 鼻骨骨折および肋骨の骨折
- 左手の骨折
- 顔面の裂傷(目の上の傷に40針以上の縫合が必要だった)
オートパイロットへの信頼と新たな視点
9年間にわたりオートパイロットを利用してきたシャナハン氏は、これまでこの機能に強い信頼を寄せており、時速20マイル程度であれば「正直に言って全く不安はない」と考えていたと述べています。しかし、今回の事故を経て、「決して不安をゼロにしてはいけない」という教訓を得たと振り返りました。
また、オートパイロットが故障したのか、あるいは自身が操作を解除してしまったのかについては、「振り返った時に何が起きていたのかは分からない」と述べています。
脳震盪への意識変化と現状
脳震盪を経験したことで、シャナハン氏はNFL選手たちが抱える脳震盪という課題に対し、新たな視点を持つようになったと明かしました。これまで選手が「軽度」の脳震盪と診断された際に軽く捉えていた面があったと認め、現在はその捉え方が変わったとしています。

身体的な回復状況について、顔面の縫合糸はすでに外れていますが、現在も頭痛と疲労感という2つの症状が残っていると報告しています。練習中のスピーカーから流れる大音量の音楽(AC/DCなど)に苦痛を感じていた時期もありましたが、現在は改善したとしています。
チームへの影響と今後の予定
この負傷により、トレーニングキャンプ開始時の活動に制限が出ました。キャンプ初日の練習は、アシスタントヘッドコーチのクリス・フォースター氏がチームを指揮し、クレイ・クビアック、ラヒーム・モリス、ブラント・ボイヤーの各コーディネーターがサポートしました。

シャナハン氏は、今週行われるテネシー・タイタンズとのプレシーズン初戦からサイドラインに復帰することを発表しました。復帰時点でも、一部にキャスト(ギプス)を装着しており、事故の後遺症が一部残っている状態です。
テスラ社の自動運転機能を巡る背景
今回の事故が起きる一方で、テスラの自動運転機能に対する懸念が高まっています。米国家道路交通安全局(NHTSA)は、視認性の低い状況で十分な警告がなされているかについて、2016年から2026年モデルのModel S、X、3、Y、およびCybertruckを含む300万台以上の車両を対象に調査を拡大しています。
また、過去にはドライバーが携帯電話を拾おうとした際にオートパイロット状態で交差点を時速60マイル以上で直進し、死傷者を出した事故で、陪審員がテスラ社に33%の責任があるとした判決も出ています。