ジャガー・ルクルトは、2009年の「ハイブリス・メカニカ・グラン・ソヌリ」に搭載されたキャリバー182を再構築し、限定1本のユニークピース「デュオメトル・グランド・コンプリケーション・グラン・ソヌリ」を発表した。約1300個の部品を誇り、15の複雑機構を詰め込んだ超複雑時計である。
約1300個の部品と丸1年を要する製造工程
VAGUEなどの報道によると、キャリバー182は約1300個の部品で構成されており、ムーブメントの組み立てと調整だけで丸1年を要する。製造工程は、組み立て、分解、調整・洗浄、最終組み立ての4段階に分かれており、合計約1万6000もの作業を経てようやく完成に至る。
ムーブメントには、グラン・ソヌリ、プチ・ソヌリ、ミニッツリピーターの3種類のチャイム機構が搭載されている。さらに、レトログラード式パーペチュアルカレンダーやフライングトゥールビヨンなど、合計15の複雑機構を備えており、2009年の登場時には当時製造された腕時計の中でも最も複雑なモデルのひとつとされた。
金属ガラス製ゴングとチタン製ケースによる音質の向上
今回の新バージョンでは、チャイムの音質とムーブメントの堅牢性の向上が重点的に図られている。4つのゴングと4つのハンマーがウェストミンスタースタイルの旋律を奏でる基本構成は維持しつつ、金属ガラス製ゴングを長くし、形状や取り付け、調整方法を改良した。
さらに、インナーケース本体とケースバックのベゼルにチタンを採用することで、音の力強さや深みを高めている。グラン・ソヌリモードでは15分ごとに自動でチャイムが鳴り、毎正時には4音からなる6フレーズ、合計24音の旋律を奏でる仕組みとなっている。
誤操作を防ぐ新セキュリティ機構と視認性の高いダイヤル
複雑なチャイム機構を誤操作によるダメージから守るため、新しいキャリバー182にはミニッツリピーターモードにセキュリティ機構が追加された。前のチャイムが完全に鳴り終わり、機構がリセットされるまでは再びチャイムを作動できない設計にし、物理的な負荷を抑制している。
ダイヤルはオープンワークがさらに進められ、時・分・カレンダーを表示するダイヤルの直径が従来比30%拡大された。ダークブルーグレーのラッカーやサンレイ仕上げのギョーシェ彫りが施され、外周にはレトログラード式の日付・曜日・月表示が配置されている。
3つの香箱と多様なパワーリザーブが生む実用性
ケースは直径45mm、厚さ16.16mmで、60個の部品で構成されている。ケース本体とインナーケースにはチタンが選ばれ、ラグやベゼル、プッシュボタンなどには18K 5Nピンクゴールドが採用された。サファイアクリスタルのケースバックからは、フライングトゥールビヨンを含む複雑な内部構造を鑑賞できる。
ムーブメントには3つの香箱が搭載されており、時刻表示とパーペチュアルカレンダー用に48時間のパワーリザーブを確保する。チャイム用香箱は、グラン・ソヌリモードで約7.5時間、プチ・ソヌリモードで最大32時間の連続駆動に対応する。
今後、この唯一無二のコンプリケーションモデルがどのような顧客の手に渡り、マニュファクチュールの伝統的な時計製造技術の新たなマイルストーンとしてどのように評価されていくのかが注目される。