インドネシア海軍が2026年9月24日に取得を発表したイタリア海軍の中古空母「ジュゼッペ・ガリバルディ」は、資産価値が約5400万ユーロ(約100億円)と評価されながらも0円で譲渡された。trafficnews.jpが報じたもので、友好国との関係強化や年間維持費の負担軽減を狙った異例の無償譲渡として注目を集めている。しかし、資金を支払って購入した過去の中古空母には、悲惨な結末を迎えた例も存在する。
格安で購入されたフランス製空母の数奇な運命
かつてフランス海軍でクレマンソー級航空母艦「フォッシュ」として1963年7月に就役した艦は、1980年代のレバノンや1990年代のユーゴスラビア内戦などに派遣された後、2000年11月15日に退役した。当時、ブラジル海軍は老朽化した空母「ミナス・ジェライス」の後継艦を探していた。そこで白羽の矢が立ったのがこの艦であり、1200万ドルという空母としては破格の安値で2000年11月に購入された。
南米唯一のジェット機運用能力を誇った「サンパウロ」
ブラジル海軍で「サンパウロ」として再就役した同艦は、アルゼンチン海軍がすでに空母「ベインティシンコ・デ・マヨ」を退役させていたため、ブラジル海軍唯一にして南米でもただ1隻のジェット機が発着艦できる空母となった。貴重な戦力として期待されたものの、もともと老朽化が深刻であり、稼働できる期間は限られていた。数年間しかまともに稼働しなかった背景には、艦齢の古さと維持の難しさがあった。
解体問題をめぐりブラジル沖を長期間漂流した末の自沈
貴重な戦力として運用された「サンパウロ」は最終的に、解体をめぐる深刻なトラブルに巻き込まれることになった。2023年2月3日、同艦は解体をめぐる問題からブラジル沖を長期間にわたって漂流した末、最終的に自沈処分という極めて不遇な運命をたどることになった。資金を投じて購入した大型艦であっても、老朽化や管理の負担が重なれば悲惨な結末を免れないという現実を、同艦の歴史は物語っている。
0円譲渡の裏にある維持費の現実と今後の艦艇運用
インドネシア海軍が取得した「シュリーヴィジャヤ」こと旧「ジュゼッペ・ガリバルディ」は、初期費用ゼロという破格の条件で引き渡された。しかし、いかに本体が無料であっても、運用国には高額な年間維持費や運用コストが継続的にのしかかることになる。過去の失敗事例が示すように、中古空母の運用は導入時の価格だけでなく、その後の維持管理体制が成否を分ける重要な鍵となる。