自民党と日本維新の会による連立政権合意から20日で1年を迎える。全63項目のうち達成・見込みは57%にとどまり、維新側は合意の更新を求める一方、自民側は慎重な姿勢を崩していない。政策や候補者調整など課題が残る中、両党の関係深化が問われている。
連立合意から1年、進捗率は57%
自民党と日本維新の会が連立政権合意書を交わしてから、20日で1年となる。読売新聞の報道によると、維新側は全63項目のうち、36項目(57%)で達成または達成のメドがついたとしている。吉村洋文代表(大阪府知事)は「何を進めるか明らかにしたのが自公(連立)政権との大きな違いだ」と述べ、数値目標や期限を掲げた合意の意義を強調した。一方で、社会保障改革や衆院議員定数削減といった維新が重視する重要政策については、実現が遅れているのが現状だ。
更新を求める維新と拒む自民
連立の枠組み維持をめぐり、両党の温度差が鮮明になっている。維新の柴田巧幹事長は19日、国会内で記者団に対し「想定しなかった課題も出てくる。連立合意の更新は必要になる」と語り、重要法案の成立期限明記などを求めていく意向を示した。これに対し、自民党幹部は「政権運営の自由度を縛りかねない」と難色を示す。自民側は、現行の合意書を当面維持すべきだという立場を崩しておらず、今後の調整は難航が予想される。
規制改革と業界団体の壁
維新は規制改革の推進を新たな重点課題に位置づけている。9月の内閣改造で中司宏・前幹事長が規制改革相として入閣したことを受け、党内にも調査会を新設した。自動運転の実現や公務員制度改革などを目指すが、ここでも自民党との溝が見える。自民党は業界団体を支持基盤に抱えており、急進的な改革に対しては根強い拒否感が存在する。政策の具体化に向け、両党がどのような妥協点を見いだせるかが今後の焦点となる。
選挙区調整と大阪都構想の摩擦
政策面以外でも、両党の間には摩擦が生じている。次期衆院選に向けた候補者調整については、4月に幹事長レベルで進めることを確認したものの、その後は目立った動きがない。また、吉村氏が来春の統一地方選に合わせ、大阪都構想の是非を問う3度目の住民投票実施を準備していることに対し、自民党は同時実施に否定的な見解を示している。本拠地・大阪における両党の競合関係が、連立の連携を阻害する要因となっている。
「予算カット」発言をめぐる波紋
連立与党としての振る舞いが問題視される場面もあった。今月7日、維新の前原誠司顧問が、地元自治体への「予算カット」発言をした簗和生・前農相に対し「議員辞職に値する」と批判した。これに対し首相官邸から水面下で打ち消しを求められ、藤田文武共同代表が軌道修正を余儀なくされる事態となった。しかし、前原氏は19日にも「辞任は遅きに失した」と改めて批判を展開している。自民党の中堅議員からは「亀裂を生むような発言は避けるべきだ」と苦言が呈された。
維新側の発表によると、連立政権合意の全63項目のうち、社会保障改革や衆院議員定数削減などの実現が遅れているものの、36項目(57%)については達成または達成のメドがついている。
2年目に入る連立政権は、政策合意の更新や選挙協力といった実務的な課題を抱えている。維新側は合意の早期実現を迫る構えだが、政権運営の主導権を握る自民党との間には政策の優先順位や選挙戦略で隔たりが大きい。両党がどこまで関係を深化させ、実質的な成果を積み上げられるのか、今後の運営手腕が問われることになる。