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英貨物船リチャード・モンゴメリー号、爆発リスク低減に向けマスト撤去が完了

英ケント州のテムズ川河口に沈む第二次世界大戦時の米貨物船「リチャード・モンゴメリー号」の船体から、爆発の危険を低減させるため、3本の船柱(マスト)が撤去された。

英貨物船リチャード・モンゴメリー号、爆発リスク低減に向けマスト撤去が完了

英ケント州のテムズ川河口に沈む第二次世界大戦時の米貨物船「リチャード・モンゴメリー号」の船体から、爆発の危険を低減させるため、3本の船柱(マスト)が撤去された。英運輸省は、この複雑な作業が予定より早く、予算内で完了したと発表した。

船体崩壊のリスクを低減するマスト撤去作業

海事大臣のキア・マザー氏は下院での報告において、このプロジェクトは「専門的なプログラム、工学、およびリスク管理の専門知識を要する複雑な作業」であったと説明した。マザー氏によれば、船体構造に過度な負荷をかけていたマストを撤去することで、長期間にわたるサイトの安全管理が維持されることとなる。

950万ポンドを投じた特殊作業の全容

このサルベージ作業は、2024年のボルチモアでのフランシス・スコット・キー橋崩落事故における解体作業など、複雑な海事災害対応に実績を持つ「リゾルブ・マリーン(Resolve Marine)」社が主導した。作業は9月15日に開始され、9月30日までに3本すべてのマストが切断・撤去された。作業現場にはクレーンを搭載した大型台船が配置され、7名の潜水エンジニアがダイヤモンドワイヤー切断装置を用いて、慎重にマストを切り離した。費用は当初950万ポンドと見積もられていたが、公式発表によれば予算内で収まったとしている。

英貨物船リチャード・モンゴメリー号、爆発リスク低減に向けマスト撤去が完了
写真:The Guardian

作業中、メドウェイやテムズ川河口の海運への影響は報告されておらず、安全に終了したことが確認されている。現在も沈没船周辺には厳格な立入禁止区域が設定されており、上空の飛行制限も継続されている。政府は、爆発の危険性は依然として残存しているものの、今回の措置により「差し迫った危険」は排除されたとの見解を示している。

歴史的遺物としての保存と残る爆発の懸念

回収されたマストは、ケント州の「チャタム歴史ドックヤード(Historic Dockyard Chatham)」へ移送された。同施設では今後、保存のための専門的なレビューと報告書作成が行われる予定である。チャタム歴史ドックヤードの広報担当者は、現時点では展示の可否や場所について確定的なことは言えないとしつつも、地域の歴史的資産として保護する姿勢を見せている。一方で、地元選出のケビン・マッケンナ議員は、マストをシェピー島へ戻し、展示することを強く求めている。

英貨物船リチャード・モンゴメリー号、爆発リスク低減に向けマスト撤去が完了
写真:BBC

なお、1970年に王立軍事科学大学の専門家が行った試算では、船内の全弾薬が誘爆した場合、3キロメートル上空まで瓦礫が吹き飛び、5メートルの津波が発生する可能性があると予測されていた。現在も船内には2,000ポンド(約900kg)の爆弾やクラスター爆弾など、膨大な量の危険物が眠っている。当局は、今回のマスト撤去はあくまでリスク低減策の一環であり、今後も沈没船に対する継続的なモニタリングと厳重な管理を続けていくとしている。

執筆者について: nipponese

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