11月3日に投開票を控える米中間選挙は、民主党候補が共和党の伝統的な強固な支持基盤で善戦し、後援金でも共和党を上回るなど、終盤に激しい混戦模様を見せている。Yahoo!ニュースなどが報じた。
民主党候補が共和党の優勢州で躍進
伝統的に共和党が強いとされる地域で、民主党候補が独自の背景を持ち、支持を広げている。テキサス州の上院議員選挙では、長老教神学校で学ぶ州議会議員のジェームズ・タラリコ氏が、共和党候補で司法長官のケン・パクストン氏に対し、世論調査でリードを見せている。クック・ポリティカル・リポートの調査(9~13日)によると、タラリコ氏が49%、パクストン氏が44%となった。ミシガン州でも、ムスリム候補のアブドゥル・エルサイード氏が共和党のマイク・ロジャース氏を上回る調査結果が出ている。アラスカ州では、民主党から出馬した先住民出身の元連邦下院議員メアリー・ペルトラ氏が、現職のダン・サリバン氏に挑む構図となっている。ニューヨーク・タイムズは、民主党が伝統的支持層にとどまらず、候補個人の魅力を前面に出し、中道層や穏健保守層を攻略していると分析した。
草の根後援金で民主党が共和党を逆転
選挙資金の面でも、終盤にかけて民主党が勢いを見せている。ニューヨーク・タイムズによると、特別政治活動委員会(スーパーPAC)を通じた募金総額では共和党系が民主党系を大きく引き離している。しかし、10月最初の2週間という直近のデータでは状況が異なる。連邦選挙委員会(FEC)の申告資料に基づくと、民主党上院選挙委員会(DSCC)は2800万ドルを集めたのに対し、共和党上院選挙委員会(NRSC)は990万ドルにとどまった。ロールコールは、激戦州の候補者の大半が、選挙終盤の現金残高でも共和党の競合候補を上回っていると報じている。この資金の逆転現象は、草の根レベルでの支持拡大を反映しているとの見方がある。
共和党内で相次ぐ大物の「心変わり」
共和党の元上下院議員や州知事経験者らが、民主党候補を支持する動きが相次いでいる。テキサス州では、ジョージ・W・ブッシュ元大統領の弟ニール・ブッシュ氏が、民主党のタラリコ候補への投票を公表した。同氏は、トランプ氏とその周辺が共和党に多大な被害を与えたと主張している。また、バーバラ・ブッシュ氏もタラリコ候補へ寄付を行った。その他、コロラド州知事選やニューハンプシャー州の上院選、カンザス州でも、かつて共和党の強硬保守を代表した人物や元州知事が民主党候補への支持を表明した。CNNは、これらの離脱は組織的な動きというより、トランプ政権の政策や候補者の資質、個人的な不和が複合的に作用していると分析している。
オバマ氏とトランプ氏が繰り広げる激しい応酬
選挙戦の背景には、バラク・オバマ元大統領とドナルド・トランプ大統領の政治的な対立が色濃く影を落としている。CNNによると、オバマ氏は激戦州を回り、民主党候補への支持を訴え、トランプ氏をもたらした混乱を批判している。これに対し、トランプ氏はオバマ氏を激しく攻撃する姿勢を崩していない。特に、オバマ氏がトランプ氏のホワイトハウスの装飾を「サダム・フセインがチーズケーキファクトリーを開いたかのような見た目」と揶揄した発言に対し、トランプ氏は強く反発した。AFPBB Newsや産経ニュースによると、共和党陣営はこの発言を庶民派レストランを軽視する「エリート主義」として攻撃材料に利用している。

選挙結果を占う不透明な情勢
中間選挙の終盤を迎え、共和党内部の亀裂や民主党候補の斬新な挑戦など、かつてない動きが重なっている。CNNは、共和党内部の多様な亀裂が実際の選挙結果にどのような影響を及ぼすのか、現時点では計り知れないと指摘した。民主党の風が吹いているとの声もあるが、蓋を開けるまでは予断を許さない状況だ。この選挙を通じて、両党から将来の政治を担う後継者が生まれるのか、また、政治の新時代に向けた有権者の答えがどのような形で示されるのか、その行方は11月3日の投開票まで持ち越されている。