大阪府箕面市の「アルカディア」が提供する防災情報配信サービスで不正アクセスが発生し、全国の自治体で個人情報が漏えいした可能性があることが14日までに判明した。愛知県内を中心に少なくとも14市で市民や職員のメールアドレスなどが流出した恐れがあり、各自治体が対応に追われている。
愛知県内14市で広がる個人情報漏えいの影響
愛知県内の自治体を中心に、アルカディアのサービスを利用する各市で被害が相次いでいる。一宮市では「あんしん・防災ねっと」などの登録者アドレス2万1503件に加え、町会長や市職員の個人情報を含め最大2万4744件が流出した可能性がある。津島市では「防災ほっとメール」の登録者5622人分や職員の情報、あま市では計6419件のメールアドレスや固定電話番号が漏えいした恐れがある。小牧市では「認知症見守りネットワーク」の登録者774件、春日井市では「Net119緊急通報システム」の登録者約90人の情報が流出した可能性があると発表された。
西三河地方でも5市で情報流出の疑い
西三河地方の自治体でも被害が確認されている。岡崎市では、防災メールや学校情報メール、消防指令用配信サービスなど三つのシステムから最大計6万9千件の個人情報が流出した可能性がある。碧南市では防災メールや部活動支援事業の登録者情報など、高浜市では約5600件、西尾市では「スピーキャン・ライデン」を通じて市民や職員の情報計約3500件が流出した恐れがある。知立市でも防災メールと徘徊高齢者捜索システムの利用者情報が漏えいした可能性がある。各自治体は公式サイトで注意喚起を行い、不審な連絡には応じないよう呼びかけている。
豊川市と田原市でも被害が判明
県内各地でシステム停止などの対応が広がっている。豊川市は14日、サービスに登録された市民や職員のメールアドレスなど計3万6328件の個人情報が漏えいした可能性があると発表し、該当サービスを緊急停止した。田原市でもメールアドレス約1万3千件が漏えいした恐れがあるとして注意を促した。一方で、豊橋市の「豊橋ほっとメール」については、不正アクセスの対象サーバーではなかったため運用が継続されており、現時点で漏えいは確認されていないという。
自治体による対応と今後の見通し
被害が確認された各自治体は、登録者に対して不審なメールや電話への警戒を強めている。小牧市の天野正基市長は「業者に早急な調査と原因究明を求めるとともに、市も事実確認と被害最小化、再発防止に取り組んでいく」とコメントした。津島市危機管理課の担当者も「運営会社による調査結果を踏まえ、適切に対応していく」としている。多くの自治体では登録者への注意喚起を継続しており、今後、運営会社であるアルカディアによる詳細な調査結果が待たれる状況だ。
今回の事態を受け、各市はメール配信の停止やアプリ・公式LINEによる代替情報発信などの緊急措置を講じている。自治体の防災サービスを狙った今回の不正アクセスは、広範囲にわたる個人情報の流出リスクを浮き彫りにした。