豊田市で住宅街への出没と人身被害が相次ぐ
愛知県内でのクマの出没件数はすでに60件近くに及び、昨年度を大きく上回るペースで推移しているとnews.tv-asahi.co.jpが報じた。3日には山間部の住宅にクマが出没し、11日早朝には近くに住む男性が玄関先で襲われて右眼球破裂などの大けがを負った。17日にもクマが2頭目撃されるなど緊迫した状況が続いており、小原北町・町内会の片山茂夫会長が神社近くでの目撃情報を語っている。現場周辺では警察によるパトカーの警戒見回りが連日行われている。
7年前の被害現場と「顔を狙う」共通点
愛知県内での人身被害は2019年10月以来実に7年ぶりとなる。news.tv-asahi.co.jpの独自取材によると、今回の現場は7年前に当時60代の女性が被害に遭った場所から山を挟でおよそ12キロの距離にある。被害女性の夫は、当時の状況について妻の顔に黒いものが覆いかかるように襲われたと振り返った。さらに、今回の男性が眼球破裂の重傷を負った事例も含め、両方の事故でクマが執拗に顔を狙っていたという共通項が確認されている。
カキの木に居着く個体とドングリ豊作の盲点
岐阜大学応用生物科学部の淺野玄准教授は、news.tv-asahi.co.jpの取材に対し、ドングリが豊作とされる地域であっても油断は禁じられていると指摘した。人里にあるカキやクリなどの食べ物を容易に手に入れられると学習したクマが一定数存在し、山の実りの豊かさに左右されずにそちらへ引き寄せられているという。豊田市の現場付近でも自宅敷地に多くのカキが実っており、住民の間では木を伐採すべきか検討するなどの対策が迫られている。
クマの活動が活発化する時期と安全な地域
10月はクマが最も活発に動き回る時期であり、全出没の20パーセントを占めると「クママップ」が集計していると、日刊ゲンダイDIGITALが報じている。遭遇の多くは奥深い山中ではなく標高1000メートル以下の低山で起きる。一方で、九州7県や千葉県、徳島県など環境省の統計で被害実績のない「クマなし県」も存在し、長野県以西では目撃や被害が大きく減少する傾向にある。.
紅葉狩りとハイキングで実践すべき遭遇回避策
内閣府政府広報室はクマに出会わないための対策として、出没情報を事前に調べることや鈴やラジオなどの音を鳴らし続ける重要性を強調していると、日刊ゲンダイDIGITALが伝えている。また、複数人で会話しながら歩くことも有効とされる。クマが集団を攻撃するケースは統計上非常にまれであり、大勢で行動することが不意の遭遇を防ぐ現実的な防衛策となっている。

成功体験を重ねた個体への継続的な警戒
岐阜大学の淺野准教授は、人里での採餌に成功した体験を重ねて学習してしまった個体が依然として残っていると警鐘を鳴らしている。今後も住民による敷地内の果樹の管理や、外出時の音出しといった個別の防衛行動が欠かせない状況が続く見通しだ。