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台湾統一地方選の台北市長選で与党・民進党候補が猛追と小笠原欣幸氏が分析

台湾の統一地方選が11月28日の投開票に向け終盤を迎える中、政治経済の中枢である台北市長選で与党・民主進歩党の新人が最大野党・中国国民党の現職を猛追している。産経新聞の報道によると、両市の勝敗は2028年1月の次期総統選に大きな影響を与える見通しである。 台北市長選で与党候補が猛追し支持率が急接近 台北市長選は、初代総統の蔣介石のひ孫で再選を目指す国民党の現職・蔣万安市長と、民進党の新人で立法委員の沈伯洋氏による事実上の一騎打ちとなっている。産経新聞の報道によると、大手テレビ局TVBSの5月の世論調査では蔣氏が58%、沈氏が30%と大差があったが、10月には8ポイント差まで縮まった。さらに、別のシンクタンクの調査では10月時点で沈氏が逆転し50.3%、蔣氏が33.3%と大きく水をあける結果が出ている。民進党系の政治研究者は「国民党は台北市で負ければ致命的だ」と指摘しており、与野党の勢力図に変化が生じている。 写真:Yahoo!ニュース 「抗中保台」を封印し中間層へ浸透した選挙戦略 民進党の沈伯洋氏はこれまで、同党の「抗中保台(中国に対抗し台湾を守る)」路線を象徴する人物として知られてきた。中国の「認知戦」の研究者であり、市民に軍事知識を教える講座「黒熊学院」の開設にもかかわった経歴を持つ。中国当局は24年10月に沈氏を「頑迷な台湾独立分子」に指定し制裁を科している。しかし今回の選挙戦では、穏健な対中政策を望む中間層からの反発を避けるため、抗中保台路線をあえて封印した。9月に国民党系ラジオ局の番組に出演した際、厳しい質問に冷静に答える姿が反響を呼び、収録動画の視聴数は450万回を超えた。東京大東洋文化研究所の林泉忠特任研究員は、この姿勢が中間層や一部の国民党支持者にまで好印象を与えたと産経新聞の取材に対して分析している。 国会での予算審議をめぐる与野党の激しい攻防 Yahoo!ニュースで配信された産経新聞の記事によると、台湾・清華大栄誉講座教授の小笠原欣幸氏は、今回の選挙戦全体で民進党に追い風、国民党に逆風の状況がはっきりしてきたと指摘している。背景には中央レベルでの与野党の攻防があり、立法院で多数を占める野党の抵抗戦術により、1月から始まる今年度の予算が8月にようやく通過した。その過程で「総統機密費」が全額カットされ、中秋節の月餅購入費も失われたことで福祉団体などの中小零細業者が苦境に陥った。小笠原氏は、野党が議会の多数派を利用して政府に嫌がらせをしていると有権者に受け止められ、野党への好感度が下がったと分析している。 焦燥を強める国民党現職陣営の反撃と今後の動向 当初は楽勝ムードが漂っていた国民党の蔣万安陣営は、「洋流」と呼ばれる沈氏のブームに対する危機感を強めている。蔣氏は26日に市内で開いた選対本部設立大会で、一部の世論調査が恣意(しい)的だと示唆し、「われわれの士気をくじこうとしている」と強く主張した。もし国民党が台北市長選を落とせば、民進党が総統と台北市長の両ポストを独占する初めての事態となる。次期総統選での頼清徳総統の再選や、立法院で野党が多数を占めるねじれ議会の解消に向けた追い風となるのは確実視されている。北京の中国政府にとっては打撃となり、台湾への圧力をより強めると林泉忠氏は予測している。

台湾統一地方選の台北市長選で与党・民進党候補が猛追と小笠原欣幸氏が分析

台湾の統一地方選が11月28日の投開票に向け終盤を迎える中、政治経済の中枢である台北市長選で与党・民主進歩党の新人が最大野党・中国国民党の現職を猛追している。産経新聞の報道によると、両市の勝敗は2028年1月の次期総統選に大きな影響を与える見通しである。

台北市長選で与党候補が猛追し支持率が急接近

台北市長選は、初代総統の蔣介石のひ孫で再選を目指す国民党の現職・蔣万安市長と、民進党の新人で立法委員の沈伯洋氏による事実上の一騎打ちとなっている。産経新聞の報道によると、大手テレビ局TVBSの5月の世論調査では蔣氏が58%、沈氏が30%と大差があったが、10月には8ポイント差まで縮まった。さらに、別のシンクタンクの調査では10月時点で沈氏が逆転し50.3%、蔣氏が33.3%と大きく水をあける結果が出ている。民進党系の政治研究者は「国民党は台北市で負ければ致命的だ」と指摘しており、与野党の勢力図に変化が生じている。

台湾統一地方選の台北市長選で与党・民進党候補が猛追と小笠原欣幸氏が分析
写真:Yahoo!ニュース

「抗中保台」を封印し中間層へ浸透した選挙戦略

民進党の沈伯洋氏はこれまで、同党の「抗中保台(中国に対抗し台湾を守る)」路線を象徴する人物として知られてきた。中国の「認知戦」の研究者であり、市民に軍事知識を教える講座「黒熊学院」の開設にもかかわった経歴を持つ。中国当局は24年10月に沈氏を「頑迷な台湾独立分子」に指定し制裁を科している。しかし今回の選挙戦では、穏健な対中政策を望む中間層からの反発を避けるため、抗中保台路線をあえて封印した。9月に国民党系ラジオ局の番組に出演した際、厳しい質問に冷静に答える姿が反響を呼び、収録動画の視聴数は450万回を超えた。東京大東洋文化研究所の林泉忠特任研究員は、この姿勢が中間層や一部の国民党支持者にまで好印象を与えたと産経新聞の取材に対して分析している。

国会での予算審議をめぐる与野党の激しい攻防

Yahoo!ニュースで配信された産経新聞の記事によると、台湾・清華大栄誉講座教授の小笠原欣幸氏は、今回の選挙戦全体で民進党に追い風、国民党に逆風の状況がはっきりしてきたと指摘している。背景には中央レベルでの与野党の攻防があり、立法院で多数を占める野党の抵抗戦術により、1月から始まる今年度の予算が8月にようやく通過した。その過程で「総統機密費」が全額カットされ、中秋節の月餅購入費も失われたことで福祉団体などの中小零細業者が苦境に陥った。小笠原氏は、野党が議会の多数派を利用して政府に嫌がらせをしていると有権者に受け止められ、野党への好感度が下がったと分析している。

焦燥を強める国民党現職陣営の反撃と今後の動向

当初は楽勝ムードが漂っていた国民党の蔣万安陣営は、「洋流」と呼ばれる沈氏のブームに対する危機感を強めている。蔣氏は26日に市内で開いた選対本部設立大会で、一部の世論調査が恣意(しい)的だと示唆し、「われわれの士気をくじこうとしている」と強く主張した。もし国民党が台北市長選を落とせば、民進党が総統と台北市長の両ポストを独占する初めての事態となる。次期総統選での頼清徳総統の再選や、立法院で野党が多数を占めるねじれ議会の解消に向けた追い風となるのは確実視されている。北京の中国政府にとっては打撃となり、台湾への圧力をより強めると林泉忠氏は予測している。

執筆者について: nipponese

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