台湾の移民署は16日、SNS上の不適切な投稿を理由に、中国人留学生1人の入境許可を取り消して同日付で退去処分としたと発表した。この学生は12日に台北市の国立台湾大学で開かれたイベントに出席し、来賓としてあいさつした頼清徳総統の頭をつまむような動画を撮影して投稿していた。
台湾大学での総統を茶化す動画投稿と入境取り消しの処分
内政部移民署が16日に発表したところによると、問題の中国人留学生は12日に台湾大学で開催されたノーベル賞受賞者を招いた講演・交流プロジェクトの閉幕式に参加した。その場で登壇した頼清徳総統の頭を、遠近法を利用して指でつまむように見せかけた動画を撮影したという。この映像には「頼清徳をつまみ取る」といった文言のほか、「両岸統一」や「一つの中国原則を堅持」などの主張を添えてSNSに投稿されていた。
関係官庁の協議と法律に基づく退去処分の決定
移民署は法律に基づく調査を完了させ、教育部や大陸委員会の意見も踏まえて今回の処分を下した。一連の不適切な行為は対等と尊厳の原則に著しく反し、社会的な混乱を招いたと判断されたため、入境許可の取り消しおよび退去処分が適用された。留学生は発表と同日の16日に台湾を離れたとされる。台湾地区・大陸地区人民関係条例では、中国大陸の人が訪台期間中にこうした不当な行為を行った場合、許可を取り消すことができると規定されている。
今後5年間の訪台禁止と当局が示す交流のルール
今回の処分に伴い、該当する留学生に対しては今後5年間、台湾への訪問申請が一切許可されない措置が取られる。5年経過後の申請についても厳格な審査が行われる予定である。移民署は、台湾が民主主義と自由、そして多様性を備えた開かれた社会として異なる意見を尊重する一方、中国大陸から訪れる人々には中華民国の法律や関連規定を順守し、秩序ある交流を維持することを求めている。
台湾大学が示した法執行の尊重と言論の自由の立場
台湾大学は16日、処分を受けた学生が中国ではなく外国の姉妹校からの交換留学生であったことを明らかにした。大学側は学生への配慮から関係者が付き添って事情聴取に同行し、必要な支援を提供しつつ法律に則って対応したと説明している。また、学内における言論の自由や多様な意見の尊重、理性的な議論の重要性を強調しつつ、政府が法令に基づいて行う法執行についてはこれを尊重する姿勢を示した。