俳優のセルマ・ブレアが、ロサンゼルスからニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港へ向かうデルタ航空機内で乗務員らとトラブルを起こし、現地警察に逮捕された事件をめぐり、代理人が初めて詳細な声明を発表した。多発性硬化症に起因する医療的緊急事態が背景にあったとして、世間の早計な判断を控えるよう求めている。
デルタ航空機内での突然のトラブルと身柄拘束
事件が発生したのは10月11日の夜であり、デルタ航空938便が深夜11時頃にニューヨークの空港へ到着した直後、港湾公社の当局者らが暴れる乗客に関する通報を受けて対応に当たった。
当時、機内では客室乗務員2人が負傷し、そのうち1人が病院へ搬送された。港湾公社や関係メディアの報道によると、ブレアは客室乗務員を殴打したり噛みついたりしたほか、飛行中の機内でドアを開けようと試みた疑いが持たれている。現場の状況を捉えた航空管制の音声記録では、乗務員と乗客が負傷し、鼻血や噛み痕が確認されたことが伝えられている。
病院搬送中および医療施設での二次的な容疑
機内から降ろされたブレアは、評価と治療のため病院へと搬送されたが、その過程でもさらなるトラブルが発生した。検察側の発表によれば、救急車内で港湾公社警察の警察官を蹴り、さらにジャマイカ病院医療センターに到着後には看護師の胸を蹴って負傷させたとされている。
こうした一連の行為により、ブレアは州法上の第二級暴行罪に問われることになった。翌12日夜、クイーンズ刑事裁判所のインディラ・カーン判事の前に出廷した彼女は、涙を流しながら無罪を主張した。
ブレアの広報担当者はPeople誌に対し、「セルマが日曜日の夜まで逮捕されたことは一度もなかった」と述べた。
裁判では、弁護人のシャーン・バーンズが、ブレアが多発性硬化症やパーキンソン病の管理に必要な強力な薬の服薬を数回分逃していたことや、飛行中の気圧の変化、さらには機内で頭部を強打したことが重なり、重度の混乱と見当識障害を引き起こしたと説明した。検察側は保釈金の免除に反対したが、裁判所は現金2万ドルまたは6万ドルの保釈金設定を認め、ブレアは保釈後に釈放された。
多発性硬化症と医療的緊急事態をめぐる代理人の弁明
逮捕から数日を経た10月16日、ブレアの代理人は初の公式声明を発表し、世間の報道や憶測に対して反論を行った。
ブレアの広報担当者はPeople誌等に対し、「この件については報道されているよりもはるかに多くの事情があり、法廷であるか世論の法廷であるかにかかわらず、早計な判断を下す前にすべての事実を考慮していただくようお願いする」と述べた。
声明では、機内での出来事は 医療的緊急事態 が引き起こしたものであり、誰も傷つける意図はなかった
と強調されている。また、一部で取り沙汰された非常口ドアの開放未遂については否定された。さらに、2018年に公表した多発性硬化症に加え、その二次的な神経症状である” 偽球麻痺 “を患っていることが明かされ、それが予期せぬ医療発作の現れ方に影響を与えたと説明されている。常に寄り添う介助犬が当局に一時引き離されたことも、混乱に拍車をかけた要因として挙げられた。
連邦当局の捜査と今後の司法手続き
ニューヨークでの州法違反による刑事訴追と並行して、機内での出来事は航空犯罪を管轄する連邦捜査局(FBI)による捜査の対象ともなっている。連邦当局から別途の暴行容疑で通知を受けており、今後の捜査の進展次第ではさらなる法的手続きが追加される可能性がある。

州法に基づく次回の審理期日は、2027年1月19日に指定されている。