ネットフリックスは、全従業員の約6%に相当する約1,000人の大規模な人員削減を実施することを発表した。これは2022年の会員数減少期を上回る、同社史上最大規模のリストラとなる。
ストリーミング業界の王座に君臨する同社が、大規模な組織再編と経営のスリム化にかじを切った。今回の構造改革は、製品開発、技術、法務、人事などの基幹部門にとどまらず、映像制作の現場や幹部層にも深刻な影響を及ぼしている。
1,000人の人員削減と対象となった部門
今回の人員削減は、単なる一時的なコストカットにとどまらない。同社は数年ぶりの大規模な人員整理を進める中で、組織のあらゆる層を見直している。業界関係者向けの報道が伝えた詳細によれば、削減の波はスクリプテッドおよびノンスクリプテッド(台本なし)のテレビ番組部門や映画部門にも及んでおり、非フィクションシリーズのディレクターを務めていたエイミー・コーエンや、無脚本キャスティング部門を立ち上げたリッチ・ライストといったベテラン幹部たちが次々と会社を去る事態となっている。
映画部門においても、ダン・リンが率いる体制の下で大きな組織変更が進行中である。リンの前任者であるスコット・スチューバーが敷いた高額なギャラと自由度の高い制作方針から転換し、予算管理を徹底する路線へと舵を切った。専門メディアの報道によると、映画部門の副社長でありリンの側近として知られていたダグ・ベグラドが退任したほか、インディペンデント映画部門のディレクターであるシェローム・キムなども今回の対象となった。
ピーター・ライスが担う最高コンテンツ責任者の新体制
この組織の激変の最中、最高コンテンツ責任者(CCO)の交替劇も表面化した。長年この地位にあったベラ・バジャリアが退任し、後任としてウォルト・ディズニーや21世紀フォックスで手腕を発揮してきたベテランのピーター・ライスが就任することになる。この電撃的な人事異動は、激しい競争環境に対応するための強力な布陣への刷新を意味している。

共同最高経営責任者(CEO)であるテッド・サランドスとグレッグ・ピーターズの指導のもと、同社は北米(US/Canada)地域におけるコンテンツの魅力を再構築し、成長軌道への回帰を目指している。ライスは、2027年に予定されているFIFA女子ワールドカップをはじめとする大規模なライブ中継や、新たな制作陣とのパートナーシップなど、多岐にわたるコンテンツ戦略を引き継ぐことになる。
広告事業の拡大と今後の展望
コスト削減と並行して、Netflixは新たな収益の柱として広告付きプランやライブ配信事業への投資を加速させている。視聴時間当たりの広告効果の計測方法の見直しや、新しいターゲット層に向けたスポンサーシップの獲得を通じて、視聴者エンゲージメントの最大化を図る構えだ。