ヘンリー王子が約10年間にわたり関わってきた野生動物保護団体「アフリカ・パークス」の取締役を辞任した。コンゴ共和国の公園でのレンジャーによる人権侵害問題が発覚したことを受けたもので、団体側は取締役会のガバナンス刷新の一環であると説明している。
イギリスのヘンリー王子が、長年関与してきた大規模なアフリカの野生動物保護チャリティ団体「アフリカ・パークス」の取締役会を退任した。同団体は、コンゴ共和国で管理する公園のレンジャーらによる人権侵害行為が表面化し、大きな批判にさらされていた。王子の広報担当者は、同氏がすでに信託管理人(トラスティー)の立場を離れていることを認めている。
人権侵害問題と独立調査の経緯
チャリティ団体側は、公園内および組織全体のセーフガード(安全管理)プロセスを改善したと主張している。しかし、先住民族の権利を擁護する世界的団体「サバイバル・インターナショナル」などは、調査の全容が公開されていない点を強く批判していた。
サバイバル・インターナショナルは以前から、ヘンリー王子に対して取締役を辞任するよう求めていた。報道によると、ヘンリー王子はチェリー・ブレアが率いるロンドンの法律事務所オムニア・ストラテジーによる調査結果の検証や必要な改革の実施に深く関与していたとされる。
「ガバナンス刷新」と団体の公式見解
アフリカ・パークスは今回の人事を「取締役会の定期的なガバナンス刷新」であると説明している。団体側は、取締役のメンバー構成の自然な変化であり、他の問題とは無関係であると強調しつつ、人権保護に向けた近年の大規模な投資と取り組みをアピールした。

団体のアフリカ・パークスは設立から26年が経過し、13カ国の政府や地域コミュニティと協力して2000万ヘクタール以上の保護区を管理している。董事会の新会長であるバス・ナラシンハンは、王子の10年にわたる貢献に対して謝意を表明した。
Vas Narasimhan 取締役会会長、アフリカ・パークス(AOL報道による)は、保存ミッションを支援するために惜しみなく時間を割いてくれたすべての取締役メンバーに感謝し、特にアフリカ・パークスに10年間にわたり献身的に尽力したサセックス公に謝意を表した。
ヘンリー王子のこれまでの関与と今後の姿勢
ヘンリー王子とアフリカ・パークスの関係は2016年7月、マラウイで歴史上最大規模のゾウの移送作戦を支援したことに始まる。王子は6年間にわたって同団体の総裁を務め、2023年に取締役会のメンバーに就任していた。団体側は、同氏が生物多様性保護の重要性を世界に広く伝え、アフリカの保全活動におけるフィランソロピー(慈善活動)の推進に大きく貢献したと評価している。

王子の広報担当者は、退任に際して以下の声明を発表している。
ヘンリー王子の広報担当者(The GuardianおよびNewsweekの報道による)は、サセックス公がアフリカ・パークスでの10年間を誇りに思っており、現在進行中の取締役会の強化を全面的に支持しているとした。また、アフリカでの自然保護への取り組みは今後も続き、引き続きアフリカ・パークスのミッションの支持者であり続けるとしている。
今回の辞任は、ヘンリー王子にとって近年相次ぐチャリティ団体との関係見直しの一つとなる。王子は昨年3月、自身がレソトのセエソ王子と共に共同設立したチャリティ団体「セントバレ」のパトロンからも退いていた。