ホワイトハウスの国家経済会議(NEC)局長を務めるケビン・ハセット氏は水曜日、米国の企業や消費者が関税負担の大部分を担っているとしたニューヨーク連邦準備銀行(FRB)の最新論文について、「連邦準備制度の歴史の中で見た中で最悪の論文だ」と激しく批判した。ハセット氏はCNBCのインタビューに応じ、この論文に関与した人物は「処罰されるべきだ」と述べた。
ハセット氏、ニューヨーク連邦準備銀行の関税調査を「最悪の論文」と猛烈に批判
「経済学の初歩的な授業でも認められない」分析内容を否定
2月12日にニューヨーク連邦準備銀行のウェブサイトで公開されたこの論文は、ドナルド・トランプ大統領による輸入税の引き上げコストが、政権が主張してきた外国側ではなく、主に米国内で負担されていると論じている。具体的に、昨年1月から8月にかけては米国民が関税による打撃の94%を被り、9月から10月には92%、11月には86%にまで低下したとしている。また、昨年の平均関税率は2.6%から13%に上昇したと指摘している。
これに対しハセット氏は、同論文の分析は「経済学の第1学期の授業でも受け入れられないレベルのもの」であり、その結論が「非常に党派的なニュース」を生み出したと批判した。ハセット氏は、研究者が価格にのみ焦点を当て、関税がどのように機能しているかという重要な側面を無視したと主張している。特に、生産の国内回帰によって米国企業が享受する賃金や福利厚生へのプラスの影響を盛り込むべきだったと指摘した。
関税が生活水準を向上させたと主張
ハセット氏は、関税が価格に与えた影響はほとんどなく、むしろ生活水準の向上に寄与したと主張している。ハセット氏によると、昨年の実質賃金は平均で1,400ドル増加しており、「消費者は関税によってより良い状況になった」という。また、インフレは時間とともに低下し、年上半期には輸入価格が大幅に下落したと述べ、ニューヨーク連邦準備銀行の分析が正しければ消費者が恩恵を受けることはあり得ないと反論した。
一方、統計データでは、1月の消費者物価指数(CPI)は前年比2.4%上昇し、トランプ大統領が関税を最初に発表した2025年4月から約2%上昇している。食品とエネルギーを除くコアCPIは1月時点で前年比2.5%上昇し、2021年3月以来の低い伸びとなった。また、労働統計局によると、12月の輸入価格は前年比で横ばいだった一方、輸出価格は3.1%上昇した。
FRB内部の役割と政策への影響
連邦準備制度の当局者は、トランプ氏の就任後1年以上にわたってインフレが粘着的に推移している要因の多くを関税に帰している。こうした持続的な物価上昇圧力は、FRBが短期借入コスト(金利)を引き下げる能力を制限する要因となっている。

また、12の地域連邦準備銀行による研究活動を巡っては、一部の批評家から、FRBの核心的な使命を大きく逸脱しているとの見方が出ている。これに対しFRB当局者は、議会が定めた金融政策目標を達成するためには、経済を最大限に理解することが不可欠であると反論している。
なお、ニューヨーク連邦準備銀行の担当者は、ハセット氏の声明に対するコメントを控えた。また、トランプ大統領が緊急権限に基づいて関税を設定できるかについては、現在最高裁判所で審理されており、覆る可能性がある。
主要な数値まとめ

| 項目 | 内容 / 数値 |
|---|---|
| ニューヨーク連邦準備銀行による関税負担割合(昨年1-8月) | 米国内で94% |
| 昨年の平均関税率の変化 | 2.6% → 13% |
| 1月の消費者物価指数 (CPI) 前年比 | 2.4%上昇 |
| 1月のコアCPI 前年比 | 2.5%上昇 |