北京で開催されたオリンピック形式の大会である第2回世界ヒューマノイドロボット大会の初日において、中国製のヒューマノイドロボットが人間が保持していた世界記録を更新したと、AP通信などが報じた。大会初日の100メートル走では、北京に拠点を置くX-Humanoid製のヒューマノイドロボットが9.39秒を記録し、ジャマイカのウサイン・ボルト選手が2009年に樹立した人間の世界記録である9.58秒を破った。
中国製ヒューマノイドロボットが100m走で世界記録を更新
さらに大会前の試走では、中国のスマートフォンメーカーであるHonorが開発したロボット「Lightning」が、100メートル走で9.32秒という記録をマークしたと報じられている。ガーディアン紙によると、このロボットは最高速度毎秒14.5メートルに達し、ボルト選手が17年前に記録したタイムを上回った。Lightningは今年4月の北京ハーフマラソンでも50分26秒で優勝しており、その後研究者らによって脚が10センチメートル伸ばされていたと伝えられている。
高跳びでの記録更新と競技会の規模
100m走以外にも、ロボットは陸上競技で人間の記録を上回る成果を見せた。X-Humanoid製の別のロボットが立ち上がり高跳びで2.88メートルを記録し、キューバのハビエル・ソトマヨル選手が1993年に樹立した人間の記録である2.45メートルを超えた。昨年の第1回大会におけるロボットの最高記録は0.95メートルであった。
ブリーチャー・レポートによると、2026年の大会は5日間にわたって開催され、ドイツ、日本、米国を含む16か国から2,056体のロボットと666チームが参加している。会場となったのは2022年冬季オリンピックのために建設された国立スピードスケート・オヴァルであり、ランニング、卓球、サッカー、ウェイトリフティング、綱引きなど、51種目で1,000以上の競技が行われている。
ロボット産業をめぐる動向と専門家の見解
中国は世界で生産されるヒューマノイドロボットの大半を占めており、政策立案者や企業は、AIやハードウェアの進歩が製造業、物流、消費者向けアプリケーションへの展開を加速させるとして、同産業の振興に力を入れている。DW.comなどが伝えたところによると、今大会は人工知能分野の急速な進歩を示す象徴的な出来事となっている。

一方で、米国の動向も緊張を孕んでいる。米国連邦通信委員会(FCC)先月、国家安全保障上の理由から外国製ヒューマノイドロボットの新奇輸入禁止を発表し、中国をターゲットにした措置をとった。またペンタゴン(国防総省)は、中国の主要ロボットメーカーの一つであるUnitreeを中国軍とつながりがあるとしてリストに追加した。

専門家や観覧者からは多様な声が聞かれる。専門家は、ヒューマノイドロボットが現時点では主にデモンストレーション、パフォーマンス、研究用にとどまっており、実際の社会への本格的な導入にはまだ時間がかかると指摘している。会場を訪れた北京市民の李延鳳氏は「人工知能に最初は少し抵抗があったが、発展が止められないものだとわかり見に来た」と述べ、楊尚政氏は「人間にとっては当たり前のスポーツだが、ロボットができるのは驚きだ」と語った。