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ノルド・ストリーム爆破事件、ウクライナ人被告の初公判がドイツで開始

2022年にバルト海で発生したガスパイプライン「ノルド・ストリーム」爆破事件を巡り、関与した疑いでウクライナ人のセルヒイ・クズネツォフ被告の裁判が14日、ドイツ・ハンブルクで始まった。現代欧州史に残る破壊工作に関し、初めて法廷で審理が行われる。 ドイツで始まったノルド・ストリーム爆破事件の初公判 ロシアとドイツを結ぶガスパイプライン「ノルド・ストリーム」の爆破事件で、ドイツ連邦検察から戦争犯罪の容疑で起訴されたウクライナ人、セルヒイ・クズネツォフ被告の裁判が14日、ハンブルクの裁判所で幕を開けた。bbc.comによると、現代欧州史に刻まれた劇的な破壊工作から4年を経て、ようやく最初の裁判が実現した形だ。50歳のクズネツォフ被告は2025年8月、イタリアのアドリア海沿岸リゾート地リミニ近郊のホテルで、ドイツの発行した欧州逮捕状に基づき逮捕され、その後身柄を引き渡されていた。 ノルドストリーム爆破事件で初公判 ドイツの裁判所にウクライナ軍元将校が出廷(2026年10月15日) 検察が主張する「民間インフラ」への軍事攻撃 ドイツ検察の起訴状は、クズネツォフ被告が破壊工作チームの主導的な役割を果たしたと指摘している。検察側は、この事件を「民間施設に対する軍事的手段による攻撃」と位置づけ、ドイツの国際法違反犯罪法典における戦争犯罪に該当すると主張する。検察の主張によれば、被告は当時ウクライナ軍の現役将校であり、潜水士や爆発物の専門家で構成されたグループを率いて、民間インフラへの攻撃を命じたとされる。14日の初公判で起訴内容が読み上げられる際、被告はヘッドホンを装着し、通訳を通じて真剣に聞き入る様子を見せた。 弁護側が指摘する「証拠の欠如」と裁判の公正性 これに対し、クズネツォフ被告の弁護団は罪状を全面的に否認し、公訴棄却を求めている。弁護人のニコラ・カネストリーニ氏は、裁判所の前でBBCの取材に対し、4年間にわたる徹底的な捜査が行われたにもかかわらず「目撃者は1人も見つからず、科学的証拠もDNAも指紋も何も見つからなかった」と語り、状況証拠のみで構成された起訴内容を批判した。また、被告には秘密保持義務があり自らを十分に弁護できない環境にあるとして、公正な裁判を受けられないとの主張を展開している。 【ノルドストリーム爆破事件】ドイツ当局がウクライナ人容疑者を起訴|欧州エネルギー安全保障の現在地 2022年9月26日:バルト海のデンマーク領ボーンホルム島沖で、パイプライン4本のうち3本が爆発物で破壊された 2025年1月:ドイツ連邦裁判所が本件を国内安全保障を損なう事象と判断し、検察に捜査の責任があると決定 2025年10月:ポーランドの裁判所が、別の容疑者について「作戦は正当で合理的かつ公正」として釈放を命じる 渦巻く国際的な見解の相違と今後の焦点 この事件は、ウクライナを支援するドイツにとって極めてデリケートな問題となっている。ウクライナ当局は一貫して事件への関与を否定しており、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領も「一切関与していない」との立場を崩していない。一方で、ウクライナ議会のオレクサンドル・メレジコ外交委員長は、「ノルド・ストリーム2はロシアが戦争準備のために利用した道具に過ぎなかった」とし、ドイツ検察の主張は一つの説に過ぎないと反論している。なお、今回の裁判と並行して、別の容疑者であるウォロディミル・ジュラヴロフ氏もクロアチアで逮捕されており、ドイツへの引き渡しが承認されている。今後、クズネツォフ被告の裁判がどのような展開を見せ、バルト海で起きた爆破の全容がどこまで解明されるのか、その行方が注目される。 関連情報 ノルドストリーム爆破事件、ウクライナ関与の疑いでドイツが捜査 ドイツ、2022年のパイプライン爆発事故を受け、ノルドストリーム初の試験運用を開始|DWSニュース|AB14

ノルド・ストリーム爆破事件、ウクライナ人被告の初公判がドイツで開始

2022年にバルト海で発生したガスパイプライン「ノルド・ストリーム」爆破事件を巡り、関与した疑いでウクライナ人のセルヒイ・クズネツォフ被告の裁判が14日、ドイツ・ハンブルクで始まった。現代欧州史に残る破壊工作に関し、初めて法廷で審理が行われる。

ドイツで始まったノルド・ストリーム爆破事件の初公判

ロシアとドイツを結ぶガスパイプライン「ノルド・ストリーム」の爆破事件で、ドイツ連邦検察から戦争犯罪の容疑で起訴されたウクライナ人、セルヒイ・クズネツォフ被告の裁判が14日、ハンブルクの裁判所で幕を開けた。bbc.comによると、現代欧州史に刻まれた劇的な破壊工作から4年を経て、ようやく最初の裁判が実現した形だ。50歳のクズネツォフ被告は2025年8月、イタリアのアドリア海沿岸リゾート地リミニ近郊のホテルで、ドイツの発行した欧州逮捕状に基づき逮捕され、その後身柄を引き渡されていた。

ノルドストリーム爆破事件で初公判 ドイツの裁判所にウクライナ軍元将校が出廷(2026年10月15日)

検察が主張する「民間インフラ」への軍事攻撃

ドイツ検察の起訴状は、クズネツォフ被告が破壊工作チームの主導的な役割を果たしたと指摘している。検察側は、この事件を「民間施設に対する軍事的手段による攻撃」と位置づけ、ドイツの国際法違反犯罪法典における戦争犯罪に該当すると主張する。検察の主張によれば、被告は当時ウクライナ軍の現役将校であり、潜水士や爆発物の専門家で構成されたグループを率いて、民間インフラへの攻撃を命じたとされる。14日の初公判で起訴内容が読み上げられる際、被告はヘッドホンを装着し、通訳を通じて真剣に聞き入る様子を見せた。

弁護側が指摘する「証拠の欠如」と裁判の公正性

これに対し、クズネツォフ被告の弁護団は罪状を全面的に否認し、公訴棄却を求めている。弁護人のニコラ・カネストリーニ氏は、裁判所の前でBBCの取材に対し、4年間にわたる徹底的な捜査が行われたにもかかわらず「目撃者は1人も見つからず、科学的証拠もDNAも指紋も何も見つからなかった」と語り、状況証拠のみで構成された起訴内容を批判した。また、被告には秘密保持義務があり自らを十分に弁護できない環境にあるとして、公正な裁判を受けられないとの主張を展開している。

【ノルドストリーム爆破事件】ドイツ当局がウクライナ人容疑者を起訴|欧州エネルギー安全保障の現在地
  • 2022年9月26日:バルト海のデンマーク領ボーンホルム島沖で、パイプライン4本のうち3本が爆発物で破壊された
  • 2025年1月:ドイツ連邦裁判所が本件を国内安全保障を損なう事象と判断し、検察に捜査の責任があると決定
  • 2025年10月:ポーランドの裁判所が、別の容疑者について「作戦は正当で合理的かつ公正」として釈放を命じる

渦巻く国際的な見解の相違と今後の焦点

この事件は、ウクライナを支援するドイツにとって極めてデリケートな問題となっている。ウクライナ当局は一貫して事件への関与を否定しており、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領も「一切関与していない」との立場を崩していない。一方で、ウクライナ議会のオレクサンドル・メレジコ外交委員長は、「ノルド・ストリーム2はロシアが戦争準備のために利用した道具に過ぎなかった」とし、ドイツ検察の主張は一つの説に過ぎないと反論している。なお、今回の裁判と並行して、別の容疑者であるウォロディミル・ジュラヴロフ氏もクロアチアで逮捕されており、ドイツへの引き渡しが承認されている。今後、クズネツォフ被告の裁判がどのような展開を見せ、バルト海で起きた爆破の全容がどこまで解明されるのか、その行方が注目される。

執筆者について: nipponese

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