10月27日に迫ったイスラエルの総選挙で、通算で約19年国を率いてきたベンヤミン・ネタニヤフ首相の有力な対抗馬として、中道政党「ヤシャル」を率いるイスラエル軍元参謀総長のガディ・アイゼンコット氏が浮上している。mainichi.jpが報じた。政権交代の行方やアラブ系有権者の投票行動が焦点となっている。
ガディ・アイゼンコット氏がネタニヤフ首相の有力な対抗馬として急浮上した背景
10月27日のイスラエル総選挙で、76歳のベンヤミン・ネタニヤフ首相に対する有力な対抗馬として、中道政党「ヤシャル」を率いる66歳のガディ・アイゼンコット氏が頭角を現していると、mainichi.jpが報じた。アイゼンコット氏は1960年に北部ティベリアのモロッコ系ユダヤ人家庭で生まれた。イスラエルでは欧州にルーツを持つユダヤ人が歴代の首相を務めており、同氏が首相に就任すれば史上初の中東・北アフリカ系となる。18歳で軍に入隊し、首相の軍事秘書官や北部軍司令官などを経て、2015年から2019年まで軍トップの参謀総長を務めた。2022年に政界入りし、2023年10月のハマスによる越境攻撃を契機に戦時内閣に入ったものの、戦闘の進め方に政治的考慮が入っていると批判して2024年6月に離脱した経緯がある。
ニューズウィーク日本版が伝えるネタニヤフ陣営の選挙戦とイランを巡る動き
10月27日の総選挙を控え、通算約19年にわたりイスラエルを率いてきたネタニヤフ首相は、中道政党「ヤシャル」を率いるガディ・アイゼンコット氏を相手に厳しい選挙戦を強いられている。首相経験がないアイゼンコット氏の「新しさ」が支持を集める一方、ネタニヤフ氏は14日の陸軍放送のインタビューで、選挙前のイランへの先制攻撃について「得策ではない」と慎重な姿勢を示しつつ、攻撃を受ければ強力に反撃すると警告した。中東情勢や安全保障の課題が山積する中、天才政治家と呼ばれるネタニヤフ氏にとって今回が最後の国連演説になる可能性も含め、国内外から大きな注目が集まっている。.
新潮QUEが分析するパレスチナ問題と連立交渉の難航による再選挙の可能性
10月27日の総選挙(定数120)は、ネタニヤフ陣営も反ネタニヤフ陣営も過半数の61議席を得るのが難しい情勢であり、連立交渉が難航して再選挙に至る事態も想定されている。2019年の総選挙のように連立協議が破談を重ねて再選挙や3度目の投票に至った前例があるためだ。国際社会はパレスチナ問題の解決につながるかを注視しているが、国内の世論調査ではユダヤ系有権者の関心は外交や経済対策に向いており、パレスチナ国家との共存を掲げる勢力は限られている。野党側も少数政党との調整や過半数確保のハードルが高く、組閣の行方は混迷している。.

総選挙の命運を握るアラブ系有権者の投票率と議席への影響
総選挙の複雑な連立方程式で鍵を握るのが、人口の約2割を占めるアラブ系市民とアラブ系政党の動向である。アラブ系有権者は約117万人と推定され、前回の2022年選挙では53%だった投票率が今回は60%を超えるという予測もある。治安対策への不満からアラブ社会での投票率が上がれば、比例代表制においてアラブ系政党が議席を積み増し、ユダヤ系政党の議席数に直接影響を与えることになる。中央選挙管理委員会が一部のアラブ系政党を選挙失格とする決定を下すなどの動きもあり、アラブ系市民の1票が政権交代の成否を大きく左右する構造となっている。.