ノルウェーのストーレ首相は28日、プーチン大統領との電話会談について、欧州の見解を直接伝えることが目的だったと述べ、会談を擁護した。ロイターによると、西欧諸国の首脳がロシア政府との直接接触を避けてきた慣行を破るもので、同盟国から批判の声も上がっている。
ノルウェーとフィンランド首脳がプーチン氏と90分間会談
27日に行われた電話会談は、ノルウェーのストーレ首相とフィンランドのストゥブ大統領がプーチン大統領と行ったもので、会談時間は計90分間に及んだ。西欧諸国の首脳はこれまで、ロシア政府との直接的な接触を避ける姿勢を維持してきた。この長年の慣行を覆す今回の動きに対し、デンマークのフレデリクセン首相をはじめとする同盟国の指導者から批判が相次いでいる。ロイターの報道によると、ストーレ氏は自身の行動を正当化し、欧州としての立場を明確にする必要があったと強調した。
米国との連携に対する懸念が会談の背景に
ストーレ首相は、公共放送NRKの取材に対し、今回の会談の意図を説明した。同氏は「米国側が同氏(プーチン氏)と話す際、われわれの見解の一部が伝わっていないのではないかという懸念がある」と語った。プーチン氏が即座に考えを変えることは想定していないとしつつも、米国のみならず欧州の立場を直接聞かせることの重要性を説いた。この会談は、11月にアブダビで予定されているウクライナとロシアの当局者による対面協議に先立ち、緊張緩和を促す目的で行われた。
ノルウェーが求める緊張緩和の具体案
ノルウェー政府は、今回の会談を通じて複数の緊張緩和措置を提案した。その内容は以下の通りである。
- ウクライナ産穀物を輸出する船舶への攻撃停止
- 捕虜交換の実施
ストーレ氏は、この戦争がこれ以上際限なく続き、犠牲者が増え続ける事態を避けるために何が必要かに焦点を当てたと説明している。
領土問題と安全保障が和平の鍵
ウクライナが領土を割譲せずに和平を実現できるかという問いに対し、ストーレ氏は慎重な見方を示した。現在、ロシアはウクライナ領土の約20%を支配下に置いている。同氏は、ウクライナが領土喪失を正式に認める合意に署名することは考えにくいと指摘した。一方で、現在の前線を現実として受け入れ、それを交渉の出発点にできるかどうかは別問題だとの認識を示した。また、和平合意後のウクライナに対する安全保障の提供が、プーチン氏にとっても大きな問題として認識されていると明かした。
ロシア側は会談の成果を否定
今回の対話に対し、ロシア側の反応は限定的だ。ロイターによると、ロシアのラブロフ外相は、27日の電話会談においてウクライナ紛争に関する新たな提案はなかったと述べている。ロシア政府の視点では、欧州諸国は単に交渉過程での役割を求めているに過ぎないという見解を示した。

11月のアブダビ協議に向けた動き
今回の首脳間電話会談は、2月以来初めてとなるロシアとウクライナ当局者の対面協議を控える中で行われた。この協議は11月にアブダビで開催される見通しとなっている。欧州の首脳が直接ロシア側にメッセージを伝えるという異例の対応が、今後の和平交渉の進展にどのような影響を与えるのか、国際社会の関心が集まっている。