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ナノティラヌスの化石「ジョディ」が約72億円で落札 恐竜化石で史上2番目の高値

モンタナ州で発見された「ジョディ」と名付けられたナノティラヌスの化石が、10月27日にニューヨークのサザビーズで4,730万ドル(約72億円)で落札されました。

ナノティラヌスの化石「ジョディ」が約72億円で落札 恐竜化石で史上2番目の高値

モンタナ州で発見された「ジョディ」と名付けられたナノティラヌスの化石が、10月27日にニューヨークのサザビーズで4,730万ドル(約72億円)で落札されました。この落札額は、恐竜の化石としては史上2番目の高値です。今回の売却を巡り、学術的価値のある化石が個人コレクションに流出することへの懸念が専門家から上がっています。

ナノティラヌス「ジョディ」の競売結果と記録

10月27日、ニューヨークのサザビーズで開催されたオークションにおいて、希少なナノティラヌスの骨格標本「ジョディ」が4,730万ドルで落札されました。この競売には6人の入札者が参加し、約12分間にわたる激しい競り合いが繰り広げられました。サザビーズが当初提示していた落札予想価格は600万ドルから900万ドルでしたが、結果はその予想を大幅に上回るものとなりました。この価格は、2024年に落札されたステゴサウルスの「エイペックス」(4,460万ドル)を上回り、今年7月にサザビーズで5,010万ドルを記録したT.レックスの「ガス」に次ぐ、恐竜化石史上2番目の高額な落札となりました。

「ジョディ」の発見と科学的背景

「ジョディ」は、2019年にモンタナ州ガーフィールド郡のヘルクリーク層で、牧場主のジョディ・ピアソン氏によって発見されました。ヘルクリーク層は、恐竜の化石が豊富に眠る地層として知られており、1902年に最初のT.レックスが発見された場所でもあります。発掘を担当したのは、「ダイナソー・カウボーイ」の異名を持つ商業古生物学者のクレイトン・フィップス氏です。この発掘調査は、2020年にディスカバリーチャンネルのドキュメンタリーシリーズ「ダイナソー・ハンターズ」でも取り上げられました。

標本は高さ約2.9メートル(9フィート6インチ)、全長約6メートル(19.6フィート)で、約191個の骨要素を含んでいます。頭蓋骨はほぼ完全な状態で、53個の骨と約50本の歯から構成されています。化石の保存状態は非常に良く、腰帯の骨や四肢の骨、さらには非常に珍しい叉骨(ウィッシュボーン)も揃っています。

ナノティラヌスを巡る議論の変遷

科学界では長年、ナノティラヌスがT.レックスの幼体なのか、それとも独立した種なのかを巡って論争が続いてきました。.

ナノティラヌスの化石「ジョディ」が約72億円で落札 恐竜化石で史上2番目の高値
写真:Star Beacon

かつてこの標本は「チョンパー」という名で呼ばれ、T.レックスの幼体として2023年のロンドン・フリーズ・マスターズに2,000万ドルの希望価格で出品されていました。しかし、科学的な分類の見直しにより、今回のオークションではナノティラヌスとして出品されることとなりました。サザビーズのカタログでは「Nanotyrannus cf. lancensis」と分類されており、類似性は高いものの確定的な同定には留保を残しています。

個人コレクションへの流出に対する専門家の懸念

今回の記録的な高額落札は、科学者たちの間で大きな波紋を呼んでいます。脊椎動物古生物学会などの専門機関は、研究の透明性を確保するため、学術的に重要な化石は公共の博物館や研究機関に収蔵されるべきであると強く主張しています。商業的な売却により、化石が個人の手に渡り、研究者によるアクセスが制限されてしまうことへの懸念は根深く、専門家からは「科学から切り離された存在になってしまう」という批判が相次いでいます。

Sotheby's
写真:Nature World News

「ナノティラヌスが実在することがようやく証明されたばかりだというのに、その最高の骨格標本が最高入札者に売却されてしまう。博物館に展示され、子供たちや家族、そして一般市民を感動させ、インスピレーションを与えるのではなく、コレクターの保管庫の中に消えてしまう可能性があると考えると、胸が張り裂ける思いです。」

ナノティラヌスの化石「ジョディ」が約72億円で落札 恐竜化石で史上2番目の高値
写真:BBC

一方で、サザビーズ側は、商業的な発掘や保存活動が科学的発見を支える役割を担っていると反論しています。サザビーズの科学・自然史部門の責任者であるカサンドラ・ハットン氏は、「彼らの標本に対する理解と保護への献身は、私たちをこの瞬間に導く助けとなりました。これは、誰もが科学に大きな貢献ができるという証です」と述べています。現在、ナノティラヌスの完全な骨格標本は、北カロライナ自然科学博物館とバーピー自然史博物館に各1体ずつ収蔵されており、今回売却された「ジョディ」は世界で3体目に確認された希少な標本です。落札者は依然として匿名であり、この貴重な恐竜の骨が将来的に公開されるかどうかは不透明なままです。

ナノティラヌスの化石「ジョディ」、サザビーズで競売に先駆け展示開始
執筆者について: nipponese

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