アメリカ中間選挙を約2週間後に控えた2026年10月19日、ドナルド・トランプ大統領は共和党現職のロジャー・マーシャル上院議員を支援するため、カンザス州パークシティで選挙集会を開催した。共和党の牙城とされる同州での激戦や、大統領の発言をめぐる論争が注目を集めている。
カンザス州における異例の接戦と歴史的背景
保守的な地盤として知られるカンザス州で、連邦上院議員の議席を巡る予測困難な戦いが展開されている。共和党現職のロジャー・マーシャル上院議員と、民主党候補のアダム・ハミルトン候補が激しく競り合っている。1932年以来、同州で民主党が上院議員選挙を制したことは一度もない。しかし、最新の世論調査では両候補が伯仲しており、政治情勢の変化がうかがえる。
共和党の予備選候補者であるマーシャル氏は、産婦人科医であり元下院議員の経歴を持つ。クック・ポニカル・レポートなどの予測機関はこの選挙区を「純粋な接戦(ピュア・トスアップ)」に分類しており、民主党陣営の勢いが増していることが示されている。
移民政策と経済の争点を巡るトランプ大統領の演説
パークシティのハートランド・クレジット・ユニオン・アリーナには、ウィチタ郊外の同会場に支持者が集まった。トランプ大統領は演説の中で移民政策を強くアピールし、ホワイトハウスのスポークスウーマンであるローレン・ビス氏は、トランプ大統領のリーダーシップの下で国境での身柄拘束や不法移民に関して成果を強調している。.
一方で、会場周辺には抗議活動を行う住民や、生活費の高騰を懸念する市民の姿もあった。ウィチタ市民のアダム・リンティカム氏は、中東情勢や燃料価格の高騰について不満を述べた。また、農地であるカンザス州において、トランプ大統領はディーゼル燃料のコストに対応するための新たに80億ドルの収穫期燃料救済プログラムを発表した。さらに、デソトでのメルクによる約10億ドルの医薬品投資や、ウィチタでのボーイングによる10億ドルの投資にも言及した。.
マーシャル議員の医療債務訴訟と集会での発言
選挙戦の大きな逆風となっているのが、マーシャル議員が医師時代に数百人の患者を未払い医療費で訴えていたという報道である。訴訟は700人以上の患者を対象とし、出廷期日を逃したことで逮捕状が出る事態に発展した。マーシャル議員の弁護人は、議員自身は令状や逮捕に関与していないと説明している。
トランプ大統領は集会の壇上でこの報道に触れ、マーシャル議員を擁護した。共和党支持者の中には、こうしたメディアの報道や世論調査の結果に反発し、保守層の結束を訴える声も聞かれている。
「その件についてはひどい目に遭わされたな」
ドナルド・トランプ大統領、NBCニュースの報道より
選挙資金の格差と今後の展望
世論調査での接戦とは対照的に、選挙資金の調達では両候補の間で大きな開きが生じている。民主党のアダム・ハミルトン候補は第3四半期に約1,100万ドルを調達した一方、マーシャル議員は約80万ドルにとどまった。

トランプ大統領は支持者に対し、自身が選挙に立候補しているつもりで投票所に足を運ぶよう呼びかけた。共和党支持者や党幹部は、有権者の動員が勝敗の鍵を握ると強調しており、11月3日の投票日に向けて保守層の引き締めが急ピッチで進められている。パークシティ周辺では交通規制が敷かれ、シェリフ事務所による安全管理のもとで選挙イベントが実施された。