アメリカのドナルド・トランプ大統領が名誉毀損でBBCを提訴している訴訟で、米連邦判事は22日、大統領に対し12月11日までに宣誓下で証言録取に応じるよう命じた。期限内に応じない場合、訴訟が棄却される可能性があるとbbc.comが報じた。
トランプ大統領に命じられた12月11日までの証言録取
米ホワイトハウス担当記者バーンド・デブスマン・ジュニアの報道によると、エンジョリケ・レット米連邦治安判事は22日、証拠開示期間が延長されない限り、トランプ大統領は12月11日までに宣誓下での質問に答えなければならないとの判断を下した。この訴訟は、トランプ大統領が2021年1月6日の連邦議会襲撃事件の前にホワイトハウス前で行った演説をめぐっている。
トランプ氏側は今月16日に予定されていた証言録取をキャンセルしていた。弁護団は国家的に重要な問題を理由に挙げていたが、BBCの代理人を務めるチャールズ・トービン弁護士は法廷で、トランプ氏が当日にジョージア州で選挙活動を行っていたと指摘した。証拠開示期間の残りがわずか2カ月となる中、双方の主張が対立している。
問題視されたBBC番組「パノラマ」の編集と主張の対立
トランプ大統領側は、BBCの番組「パノラマ」が自身の演説の別々の二つの部分を意図的かつ悪意を持って、欺瞞的に改ざんしたと主張してフロリダ州で提訴した。BBC側は、番組の編集が暴力的行動を直接呼びかけたという誤った印象を与えたと認めている。
その一方でBBCは、当該番組が名誉毀損の法的要件を満たしておらず、アメリカのプラットフォームでは配信されていなかったとして訴えの棄却を求めている。トランプ氏の弁護団は当初、アメリカ国内でも視聴可能だと主張していたが、先月になってBritBoxやBBC.com、BBC Select、あるいは米国内の放送局を通じた配信の証拠はないと認めた。
進展する証拠開示手続きと今後の訴訟の行方
アメリカの司法制度における証言録取は法律事務所で行われ、判事は立ち会わないものの、宣誓の下で法的効力を持つ記録として裁判の証拠に使われる。BBCの弁護団は予定されていた会合が開催されなかったことを受け、レット判事に対して証言録取の命令を求めていた。
これに対し、21日に提出された裁判書類でトランプ氏の弁護士は、来年1月11日から22日の間に質問に応じる可能性があると説明し、訴訟における証言を避けているというBBCの主張は誤りだと強調している。先月には、ドキュメンタリーの制作やプロデュースに関与していないとして、BBCの商業部門であるBBCスタジオを訴訟から除外することに双方が同意している。