トランプ政権は、自動登録により米国の子どもを対象とした「トランプ・アカウント」の開設が完了したと発表しました。18歳まで引き出しが制限されるこのタックス・アドバンテージ口座をめぐっては、連邦政府による1,000ドルの拠出対象や個別株寄付の是非について議論が続いています。.
ホワイトハウスは10月7日、有効な社会保障番号を持つ18歳未満のすべての子どもたちを対象とした自動登録プロセスが完了し、これまでに約7,000万人の「トランプ・アカウント」が作成されたと発表しました。ホワイトハウスの発表によると、そのうち6,000万人以上が今回の自動登録を通じて開設されたものであり、残りは7月4日の制度発足後に保護者が自ら申し込んだ分です。
ホワイトハウスの発表と6,000万人を超える自動登録の仕組み
これまで、口座を開設するには保護者が自ら手続きを行う必要があり、今夏時点での開設数は800万人未満にとどまっていました。財務長官のスコット・ベッセント(Scott Bessent)氏が「自動登録により、さらに6,000万人以上の子どもたちに請求の準備が整った口座が行き渡りました」と述べたように、10月1日に財務省が自動登録を完了させたことで、対象者が急拡大しました。ホワイトハウスの広報担当者であるテイラー・ロジャース(Taylor Rogers)氏は、自動登録の完了によって「米国に住む18歳未満のすべての子どもに名前入りのトランプ・アカウントが行き渡り、家族にとって参加がこれまで以上に容易になった」と述べています。
ただし、口座が存在することと、政府からの資金を受け取っていることは同義ではありません。報道によると、自動登録された口座を管理し、他の人の寄付を有効にするためには、保護者や後見人が公式アプリを通じて口座を「請求(claim)」する必要があります。ドナルド・トランプ大統領は、この制度が「すべての米国の子供たちにアメリカン・ドリームを掴む公平なチャンスを確実に与えるためのステップである」と強調しました。財務省の通知では、「大人が手続きを完了しなかったという理由だけで、適格な個人が拠出や投資成長の機会を失うべきではない」と自動登録の意義が説明されています。
デル夫妻による62億5,000万ドルの寄付と個別株ドネーションをめぐる論争
デル・テクノロジーズの創業者兼CEOであるマイケル・デル氏はYahoo Financeに対し、「むしろ子どもたちは、宇宙や資本主義、資本市場の仕組み、複利や投資に関心を抱くようになるでしょう。そしてそれが彼らの関心を呼び起こし、大人になったときに役立つことを願っています」と語った。
連邦政府の1,000ドル拠出要件と家族・企業による年間拠出の制限
トランプ政権の第2次政権下で生まれた子どもたちには、1,000ドルの連邦政府によるシード拠出金が用意されていますが、自動登録されたアカウントの場合でも、親が口座を請求しなければこの拠出は行われません。また、範囲外の年齢の子どもたちであっても、家族、友人、企業、そしてスペースX(SpaceX)などの慈善的拠出者からの寄付を受け取ることが可能です。CNNの報道によると、トレジャリーによって管理運営を任されたプラットフォームであるロビンフッド(Robinhood)やバンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNY)のアプリを通じて、投資状況を追跡できるようになっています。
資金拠出のルールや上限額についても明確な規定が設けられています。
- 家族、祖父母、成人したきょうだいなどの個人は自由に拠出を行うことができます。
- 企業による従業員の子どもの口座への拠出は、労働者のプログラムや適用されるルールに基づいて行われます。
- 個別の一般的な年間拠出上限は、成長期間中において子ども1人あたり原則として5,000ドルに設定されています。
- 制度上の特別な成長期間は、受給者が18歳になる年の前年の12月31日までとなり、18歳以降は伝統的なIRA(個人退職口座)のルールが適用されます。
専門家が指摘する低所得世帯への支援効果と今後の課題
口座内の資金は、原則として子どもが18歳になる年の12月31日まで成長期間としてロックされ、大学の学費、住宅購入、あるいはビジネスの立ち上げなどの特定目的に限り、18歳以降にペナルティなしで引き出すことが可能です。ただし、引き出された資金は課税所得として扱われます。アーバン・インスティテュート(Urban Institute)の上級研究員であるエレイン・マアグ(Elaine Maag)氏ら専門家やアナリストの間では、自動登録制度がすべての層に口座を行き渡らせる一方で、低所得世帯が自ら追加拠出を行う余裕があるかどうかが今後の鍵になると指摘されています。トランプ大統領や財務長官のスコット・ベッセント氏が「世代間の富の構築」を掲げる中、何千万人もの子どもたちの金融リテラシーや将来の資産形成にどのような影響を与えるか、その真価が問われるのはこれから数年先になるとみられています。