ボストン・レッドソックスは、アメリカンリーグ・ワイルドカードシリーズで宿敵ニューヨーク・ヤンキースにスイープされ、ポストシーズンから姿を消した。第1戦を0-9の完封負けで落とし、第2戦も2-9で敗北。シリーズ全体でわずか7安打に封じられるという、非常に厳しい形で2026年シーズンを終えることとなった。
MLBによる粘着物質使用の調査と結果
このシリーズ中、ベテラン右腕ソニー・グレイが第2戦の登板中に不正な粘着物質を使用していたのではないかとの疑惑が浮上した。試合中、グレイの首元に黒い斑点のようなものが見え、投球の合間にそこに触れるような仕草があったことが注目を集めたのである。これを受け、メジャーリーグベースボール(MLB)が調査に乗り出したことが報じられた。
しかし、マスライブドットコムのクリス・コティロ記者によれば、グレイは試合中に行われる標準的な検査を無事に通過しており、規約違反を示す兆候は確認されていない。コティロ氏は「何らかの処分が下されるのであれば、すでに実施されているはずだ」と指摘しており、現時点でグレイが何らかの不正行為で罰せられる可能性は低いと見られている。

降板を巡るグレイの不満とチャド・トレイシー監督の判断
調査の対象となった第2戦で、グレイは4.2イニングを投げて被安打6、失点2、奪三振5という成績を残した。しかし、わずか70球を投げたところで、チャド・トレイシー監督によってマウンドから降ろされることとなった。この早めの継投に対し、グレイは試合後の取材で強い不満を露わにしている。
ソニー・グレイは「3巡目に回った時、自分はアメリカンリーグで最高の投手だと思っている。それは事実だ」と述べ、さらに「あの場面では信頼してほしかった。(投球の)感触は良かった。キレも鋭さもあった。ソロ本塁打と単打をいくつか打たれたが、ずっと攻めの投球ができていたと感じている。間違いなく悔しい。まだ終わりたくなかった。いろいろな感情が込み上げている」と胸中を明かした。
https://x.com/ChrisCotillo/status/2107465391987376223
この継投判断について、レッドソックスのチャド・トレイシー監督は、他者からの助言ではなく自身の決断であったと説明している。トレイシー監督は、「決定を下したのは私だ」と述べ、データ分析は活用しているものの、特定の投球数やイニングで交代を強制されるようなスクリプトは存在しないと強調した。第1戦でのペイトン・トール、そして第2戦でのグレイに対する自身の起用が結果的にうまくいかなかったことについて、同監督は「その責任は私にある」と語った。
2026年シーズンを終えたグレイの今後
2026年シーズン、グレイは18勝を挙げ、防御率2.72という素晴らしい成績を残した。怪我に悩まされたギャレット・クロシェに代わり、チームで最も信頼できる先発投手として君臨した。しかし、ポストシーズンではこの第2戦の先発のみに終わり、防御率3.86で敗戦投手という結果に終わっている。

レッドソックスは今季、アメリカンリーグ東地区で3位という結果に終わった。グレイ自身は現在、今オフの引退も視野に入れていることを示唆しており、「将来どうなるかは自分でもわからない」と語っている。今回のポストシーズンでの悔しい敗退と、自身の起用を巡る複雑な感情を抱えたまま、グレイはオフシーズンを迎えることとなる。彼にとっての素晴らしい2026年シーズンが、メジャーリーグのユニフォームを着る最後の年になる可能性も残されている。