ソウル警察庁は19日、ソウル市松坡区で義母を殺害し妻を拉致したとして、尊属殺人などの疑いで身柄を拘束されているキム・ソンウ容疑者(26)の身元情報を公開した。朝鮮日報日本語版などの報道によると、凶器を使った犯行の残虐性や十分な証拠、公共の利益を考慮した決定だという。
キム・ソンウ容疑者の顔写真と氏名が公開された理由
ソウル警察庁は19日午後、身元情報公開審議委員会を開き、キム・ソンウ容疑者の名前、年齢、顔写真(マグショット)の公開を決定した。朝鮮日報日本語版が伝えたところによると、公開期間は同日午後6点から来月18日までの30日間で、ソウル警察庁のホームページに掲示される。
審議委員会は、被害の重大性と犯行手段の残虐性が認められ、犯行を立証する証拠が十分であると判断した。さらに、再犯防止や犯罪予防など公共の利益のためにも、身元情報の公開が必要であるとみなした。
妻の実家で起きた殺人および拉致事件の全貌
キム・ソンウ容疑者は今月11日午前5時38分ごろ、ソウル市松坡区文井洞にある妻の実家を訪れた。そこで50代の義母を凶器で刺して殺害し、妻を車に乗せて拉致した疑いが持たれている。義母は心肺停止の状態で病院に搬送されたが、その後死亡が確認された。
事件直後、容疑者は妻を車に乗せて逃走を図った。同日昼12時35分ごろ、江原道襄陽郡の山中で警察に緊急逮捕された。ソウル東部地方裁判所は13日、逃亡および証拠隠滅の恐れがあるとして逮捕状を発行している。
計画犯罪の可能性と警察による捜査の状況
警察は、キム・ソンウ容疑者が犯行前に凶器を所持したまま、妻の実家近くでおよそ4時間にわたり待機していた状況を確認している。そのため、計画犯罪の可能性を視野に入れて捜査を進めているところだ。
また、妻との間で行われていた婚姻無効訴訟をめぐる確執が今回の犯行につながったのかについても、詳しく調べている。警察は関連する供述や犯行前後の足取りを踏まえ、正確な犯行動機や計画性の有無を解明する方針だ。
容疑者の主張と遺族側による報復目的の指摘
警察の取り調べに対し、キム・ソンウ容疑者は容疑をおおむね認めている。しかし、義母を殺害するつもりはなかったとし、偶発的な犯行だったと主張していることが分かった。妻が婚姻無効訴訟を提起しようとしたため気分を害して犯行に及んだという説明だ。
これに対し遺族側は、妻による家庭内暴力の通報と婚姻無効訴訟に恨みを抱いた容疑者による、報復目的の犯行であると主張している。さらに遺族は、警察による被害者の身辺保護措置が不十分であった点も強く指摘し、身元情報の公開を要求してきた経緯がある。
公訴庁送致に向けた今後の手続きと見通し
キム・ソンウ容疑者は、身元公開の初日となった19日を経て、20日午前に公訴庁へ送致される予定となっている。警察はこれまでの捜査で得られた供述や証拠をもとに事件の全容を固め、検察の判断へと引き継ぐ段階に入っている。