パリのスタッド・ド・フランスで開催されたNFL史上初のフランス公式戦において、ピッツバーグ・スティーラーズはニューオーリンズ・セインツを16-10で下し、シーズン成績を5勝2敗とした。試合は両チームの堅い守りと熾烈な地上戦が展開され、歴史的な一戦となった。
アーロン・ロジャースがペイトン・マニングを超える通算タッチダウン記録を樹立
ピッツバーグ・スティーラーズのクォーターバックであるアーロン・ロジャースは、この試合でペイトン・マニングの持つ通算タッチダウンパス記録(539本)を抜き、NFL史上単独3位に躍り出た。前半に身長6フィート7インチ、体重265ポンドの大型タイトエンド、ダーネル・ワシントンへ4ヤードのタッチダウンパスを投じて記録を塗り替えた。
ロジャースはこの日、パス30本中19本成功、212ヤード、1タッチダウンを記録した。試合終盤には、自らポケットから抜け出して8ヤードを走るなど執念のスクランブルを見せ、チームを勝利へと導いた。ベテラン司令塔は試合後、自身のランについて次のように振り返っている。
アーロン・ロジャースはCBSスポーツに対し、「時には歯を食いしばって仲間たちのためにプレーをやり遂げなければならないこともある」と語った。
さらにロジャースは、年齢を重ねてからのプレースタイルについても冗談を交えつつ言及した。
アーロン・ロジャースはCBSスポーツに対し、「昔ほど運動能力がなくなってしまったからこそ、かえってチームメイトたちの闘志に火をつけることになっているのだと思う」と述べた。
ジェイレン・ウォーレンのラン猛攻と堅調な地上戦
空中戦の記録樹立だけでなく、スティーラーズの真骨頂は地上戦にあった。スタッド・ド・フランスのピッチで、チームは計148ヤードのランを記録し、平均4.9ヤードの好アベレージを残した。特にランニングバックのジェイレン・ウォーレンは18キャリーで101ヤードを稼ぎ出し、オフェンスの機関車としての役割を完璧に果たした。さらにウォーレンは3回のレシーブで36ヤードを加え、合計137ヤードのスクリムージを記録して勝利に貢献した。

マイク・マッカーシーヘッドコーチ率いるスティーラーズは、試合の立ち上がりからジャボパッケージにスペンサー・アンサーソンを起用するなどランプレーにこだわりを見せた。足首の負傷を抱えながら出場したリコ・ドードルも15タッチで86ヤードを稼ぎ、オフェンスを支えた。
セインツ陣営は試合を通じてランの守備に苦しみ、スティーラーズの圧倒的なボール支配を崩せなかった。スカイスポーツの報道によると、セインツのクォーターバックであるタイラー・ショウはパス38本中30本成功、278ヤード、1タッチダウン、1インターセプトと健闘したものの、チーム全体でランをわずか18ヤード(17キャリー)に抑え込まれる結果となった。ニューオーリンズの戦績はこれで2勝5敗となっている。
パリ現地での緊迫した治安環境とファンの熱気
パリ市内では試合前日の土曜日にも抗議活動やデモが行われ、街頭には重武装した警察の姿や、窓に板が打ち付けられた商店が見られた。チーム関係者やファンにとっても注意が必要な環境であり、マイク・マッカーシー監督は金曜日の到着日こそ選手や家族がパリを楽しんだものの、土曜日の抗議活動を受けてチームはホテルの近くで過ごすよう配慮したことを明かしている。
一方で、現地を訪れたファンからは、都市の移動や情報提供が円滑であり、地元住民も親切で温かく迎えてくれたという声が聞かれた。スタッド・ド・フランスには78,488人の観客が詰めかけ、試合前にはフランス国歌「ラ・マルセイエーズ」が美しく歌い上げられるなど、歴史的な一戦は熱気と盛況に包まれた。
試合を締めたディフェンス陣の奮闘と今後の展望
セインツの反撃を退けた最大の要因は、スティーラーズの堅固な守備陣による粘り強い対応だった。第3四半期には、ラインバッカーのペイトン・ウィルソンがタイラー・ショウのパスを読み切ってレッドゾーンでインターセプトを奪い、セインツの得点機を完璧に摘み取った。K・J・オズボーンやクリス・オリヴェらを狙ったセインツのパス攻撃に対して、ジャメル・ディーンらセカンダリー陣も踏ん張りを見せた。
試合終盤には、クリス・ボスウェルのフィールドゴール試行時にセインツの反則(オフサイド)が発生し、スティーラーズは得点を辞退してファーストダウンを更新。最後はビクトリーフォーメーションで残りの時計を消費し、16-10のまま逃げ切った。
この勝利により、スティーラーズはシーズン成績を5勝2敗とし、次週はピッツバーグの本拠地でクリーブランド・ブラウンズを迎えることになっている。