ドレ(dore)とは、金塊として流通する前にさらなる加工を必要とする半精製状態の金のことである。これまで、アフリカ大陸で採掘された鉱物は比較的未精製の状態で国外へ輸出され、高付加価値な加工プロセスの多くは海外で行われてきた。この構造的な課題に対し、政府は国内での精製と産業の育成を直結させる政策を打ち出した。
急成長するガーナの金輸出と国内製錬能力の現状
今回の義務化の背景には、記録的なペースで拡大する同国の金生産と輸出の現実がある。ガーナは2025年に約600万オンス(約185トン)の金を生産した。そのうち小規模鉱業が約310万オンス(96トン)を占め、前年の190万オンス(59トン)から大きく躍進している。
経済統計の面でもその規模は圧倒的である。2025年の金輸出収入は、前年の103億ドルからほぼ倍増して約200億ドルに達し、同年の総商品輸出額約311億ドルの大きな柱となった。こうした巨額の富が動く中で、政府は国内管理体制を強化し、価値の流出を防ぐ強い意志を示している。
業界関係者が語る国内回帰の期待と見通し
「独立以来初めて、我が国最大の資源である金からガーナが確実に恩恵を受けられるよう、政府が断固たる姿勢を示したのです。」Clement Edem Asare Morjah, United Gold International Limitedの最高経営責任者
Ghana tightens gold exports in push to keep more
また同氏は、精製品と未精製原料の間のコストの差、すなわちマージンがこれまで海外に流出し続けていた点を指摘し、歴史的な構造的異常に対処する初めての本格的な政府の方針であると評している。ただし、急な通達により既存の契約を持つ企業にとっては、契約内容の修正などの対応を迫られる現場の苦労もあった。
「我が国は世界有数の金生産国であるため、真に国家的な利益を最大化しなければなりません。付加価値の追加こそが、国内での金産業構築の要となります。」Prince Kwame Minkah, GoldBodのメディア広報担当
厳格な違反措置と今後残された課題
新たな規制に違反して未精製の金ドレを輸出、または輸出を試みた場合、ライセンス条件の違反とみなされる。これに伴う制裁措置には、輸出承認の拒否や一時停止、営業ライセンスの取り消し、行政処分などが含まれており、政府の管理姿勢は極めて厳しい。
ガーナの金精製能力と政策の詳細
ガーナには4つの認可された金精錬所があり、Gold Coast RefineryとRoyal Ghana Gold Refineryが含まれる。Gold Coast Refineryは2016年に開業し、週間最大2トンの処理能力を持つ。Royal Ghana Gold Refineryは2024年8月に運用を開始し、日間400キログラム(882ポンド)の処理能力を持つ。
Ghana Gold Refining Rule Pushes Mineral Value Addition Closer
ガーナ財務相のCassiel Ato Baah ForsonとGoldBodのCEO Sammy GyamfiがGold Coast Refineryを訪問し、精錬された金塊を手にしている。
GoldBodは両精錬所との供給契約を結んでおり、Gold Coast Refineryには週に1トン以上の金を供給している。Gold Coast Refineryは南アフリカのRand Refineryと提携している。
GoldBodは、アフリカ大陸最大の精錬所をガーナに建設すると発表している。
GoldBodは、小規模鉱業者から取得した金の一部を国内精錬所に回し、最終的に国家備蓄に組み込む計画を進めている。また、ガーナの精錬所が国際基準に適合するよう支援している。

GoldBodは2025年にアートイナス金を104トン輸出しており、2026年はこれに匹敵するか、上回る見込みである。政府は、金産業を通じて雇用創出、技術習得、国内精錬業の拡大を目指している。
ガーナの政策は、アフリカ全体の鉱物輸出モデルを変える可能性を秘めている。同国は、長年にわたって海外に原料を供給し、その価値の一部しか回収してこなかったが、新たな方針により、国内で付加価値を追加する試みを進めている。