テキサス州ダラスの法廷で繰り広げられた代理出産をめぐる法的攻防
カリフォルニア州に住むオマール・アフメド氏とナウシーン・ギルカル氏の夫婦は、アラスカ州からテキサス州へ飛行機で移動して出産に臨んだ代理母のマッケナ・ウェスト氏に対し、新生児の親権と医療決定権をめぐって法廷で対立を深めています。カリフォルニア州の夫婦が代母とテキサス州の裁判所で対決しているこの問題は、ほとんどの中絶行為が禁止されているテキサス州において、右派の中絶反対団体や共和党の政治家たちからウェスト氏への広範な支援が寄せられる契機となりました。
裁判の最中、ギルカル氏は証言台で涙を拭いながら次のように訴えました。
さらにギルカル氏は、法廷の反対側に座っていたウェスト氏について 不安定であり、私たちから子供を奪おうとしている と非難しました。夫婦側は、新生児の名前を「ルミ」と名付けたと主張している一方、ウェスト氏側の弁護士は、ウェスト氏が子供の医療上の決定を行うための単独保佐人を求めており、子供を「ガブリエル」と呼んでいることを明らかにしました。
乳児の深刻な心疾患と医療措置をめぐる双方の主張
夫婦側の代理人が事前に提出した裁判書類によると、新生児は誕生後の処置に伴う合併症の可能性により危機的な状態にあるとされています。ギルカル氏は法廷で、赤ちゃんの状態について次のように語りました。
the most beautiful person I have ever seen. He’s the love of our lives. He’s suffering a lot. Nausheen Gilkar, 裁判所での証言
手術を受けて以降、赤ちゃんは息をあえぎ、チューブで窒息しかけ、輸血を必要とするなど激しく苦しんでいるとギルカル氏は説明しました。一方でウェスト氏は、妊娠23週の時点で胎児の診断を受けて夫婦から中絶を強く勧められたものの、自身はその選択に納得できなかったと証言しています。ウェスト氏は法廷で この赤ちゃいには、診断結果にかかわらず、生存して長い人生を送る大きな可能性が十分にあると分かっていた と述べました。
中絶の意図と代理出産契約違反をめぐる法廷の尋問
ウェスト氏側は、夫婦が胎児の診断後に妊娠の終了を求めたことを理由に、夫婦には赤ちゃんの外科手術や生命維持治療を確実にやり遂げる強い意志が欠けていると主張しています。テキサス州で代理母が出産した事件に関連して、ウェスト氏の弁護人を務めるリンカン・デイビス・ウィルソン氏は、ウェスト氏が自身の身に大きな危険を冒して行動していると強調しました。
法廷では、ウェスト氏側の弁護士であるジェフ・ドメン氏がギルカル氏に対し、中絶を希望したかどうかをしつこく追及しました。中絶の決定を後悔しているかと問われたギルカル氏は、後悔はしていないと答えつつも、「自分の子供を死なせたいと思った人間の子育てを信頼できるか」という問いに対しては明確な返答ができませんでした。
これに対し、夫婦側はウェスト氏が2025年8月に締結された代理出産契約に違反したと主張しています。ギルカル氏は、ロサンゼルスで8回に及ぶ体外受精(IVF)の末に体が限界を迎え、子宮摘出手術を受けざるを得なかった経緯を法廷で明かしました。それは最初の選択ではなく、唯一の選択肢だった とギルカル氏は涙ながらに語り、ウェスト氏がロサンゼルスの自宅に滞在し、卵子移植の際にも手を握り合っていたと述べました。
裁判所の判断と今後の法的見通し
火曜日の審尋において、担当判事は最終的な親権や保佐人に関する裁定を下さず、誕生後に夫婦側が取得したウェスト氏による赤ちゃんの面会や抱擁を禁止する一時的な接近禁止令をそのまま維持しました。テキサス州の法廷で代理母と対面したカリフォルニア州の夫婦をめぐる裁判では、カリフォルニア州の裁判所がすでにウェスト氏には法的・物理的な親権の権利がないとの判断を下していることが夫婦側の弁護士によって言及されましたが、ウェスト氏側はこの裁定を無視するよう求めています。

テキサス州司法長官のケン・パックストン氏の介入もあり、裁判所は水曜日の出産に先立ち、新生児に対して生命維持治療を行うよう命じる命令を出しました。テキサス大学ロースクールのレイチェル・レブーシェ教授は、このような法的な紛争は極めて稀であると指摘し、一般的に契約には医療ケアや中絶に関する合意事項が含まれているものの、それらは法的に強制力を持つものではなく、裁判所は子供の最善の利益に基づいて介入する広範な権限を持っていると説明しています。