2026年7月、ウクライナ軍は無人地上車両と航空ドローンを組み合わせた完全無人攻撃で、ロシア軍の浸透拠点を制圧した。この作戦は、戦場における無人システムの役割が急速に拡大していることを象徴している。一方、最前線では医療従事者がロシア軍のドローン攻撃にさらされており、救急活動の制限が深刻化している。
第33独立強襲旅団による無人システムを用いた陣地制圧
2026年7月15日、ウクライナ軍第33独立強襲旅団は、ロシア軍の浸透拠点を制圧するための完全無人攻撃を実施した。同旅団の無人システム担当チーフであるアルテム氏は、テレグラムで公開されたインタビューの中で、作戦の計画と実行過程を詳細に説明した。標的となったのは、ドブロピリア(フリャイポレ北西)近郊の住宅地に潜伏していた5名のロシア兵からなる浸透チームだった。
ウクライナ側はまず、マルチロータードローンを使用して周辺地域を偵察し、ロシア軍の監視網の隙間を特定した。確認されたのは、ロシア軍の陣地から視認されにくい約3kmの隠密アプローチルートである。攻撃部隊は、M2ブラウニング12.7mm機関銃を搭載した2台の地上ロボットと、自作の重爆撃ドローンを含む3機のマルチロータードローンで構成された。
地上ロボットが陣地に接近した際、ロシア兵は車両の接近音に気づかず、完全に不意を突かれた。当初、彼らはウクライナ軍の機関銃チームによる攻撃だと誤認し、対応が遅れた。生存したロシア兵が別の建物へ退避すると、重爆撃ドローンが航空投下弾薬を用いて追撃した。アルテム氏によると、ロシア側のチームは有効な反撃を行うことができなかった。
最前線で標的となる医療現場と救急活動の縮小
戦場での技術革新の一方で、医療現場は深刻な危機に瀕している。世界保健機関(WHO)によると、ウクライナの医療システムに対する攻撃の20%は救急車を標的としたものであり、これは計算された戦略の一部である可能性が指摘されている。その結果、最前線に近い地域の住民は医療サービスから切り離されつつある。
国境なき医師団(MSF)のメドラム氏は、過去18カ月間でMSFがサービスを提供していた前線近くの約80の村への定期訪問を停止したと明かした。さらに、東部ウクライナの主要都市スロビャンスクでは、救急車サービスを一時停止する事態に追い込まれている。メドラム氏は、「2年前は前線から5〜8km(3.1〜5マイル)まで近づくことができたが、現在は30km以内には立ち入らない。この距離は拡大し続けている」と語る。
医療関係者のリトヴィネンコ氏は、「毎回、患者を病院に搬送するたびに、ただ祈るしかない。これらのドローンはどこからでも現れ、対ドローンネットさえ突破してくる」と、その恐怖を語った。危険性が増大する中、一部の地域では救急車の代わりに警察が派遣されるようになっている。メドラム氏は、「ロシアの戦争遂行のあり方において、我々が守られているとは感じられない。戦争のルールが尊重されているとは思えない」と強く批判している。
ロシア国内深部への攻撃と拡大する戦線
ウクライナのドローン戦術は、最前線から遠く離れたロシア国内のインフラにも及んでいる。最近、シベリアのオムスクにあるロシア最大の精製所が攻撃を受けた。精製所はウクライナから約1,500マイル離れており、ロシア当局はここが攻撃の対象になると想定していなかったため、防空網が機能していなかった。この攻撃はディーゼル燃料の輸出禁止措置を誘発し、ロシアの燃料危機を深刻化させた。

メーカーであるFire Pointによると、今回の作戦に使用されたドローンの最大航続距離は2,100マイルに達する。ウクライナ国家戦略研究所の研究員であり、「Come Back Alive」財団のシニアアナリストでもあるミコラ・ビリエスコフ氏は、「我々は競技の場を平準化している。2026年、我々はロシアが2022年から我々に対して行ってきたことを、ようやく集中的に実行できるようになった」と述べた。
ビリエスコフ氏は、「ロシアは我々よりはるかに大きく、攻撃側には次にどこが打たれるか分からないという利点がある。ロシア側の防御は非常に困難になるだろう。地理的な条件が我々に有利に働いている」と分析する。ロシアの防空網が分散する中、西シベリアを含むロシアの石油・ガス産業の中枢や数百の主要軍事施設が、今後ウクライナの長距離攻撃の脅威にさらされることになる。