10月7日、ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシア軍がエネルギー部門を標的に過去最大級となる70発のミサイルとドローンを発射し、各地で少なくとも11人が死亡したと発表した。主要なインフラが深刻な被害を受けており、同国政府は防空体制の強化を急ぐ方針を示している。
エネルギーインフラを直撃した大規模攻撃の実態
ウクライナのゼレンスキー大統領がテレグラムを通じて明らかにしたところによると、今回の攻撃は同国のエネルギーインフラを主要な標的として実行された。ロシア側は痛烈かつ示威的な作戦を企図したとされ、弾道ミサイルや無人機を用いた厳しい攻防が続いている。ウクライナ空軍の発表では、首都キーウのほか、ポルタバ州、南東部ドニプロペトロウスク州、北東部ハルキウ州などが集中的な標的となった。戦争が5年目に突入する中、ロシア軍による昼夜を問わない連日の攻撃により、各地で深刻な被害が確認されている。防空パッケージの確保が国家の存続と市民生活の維持において不可欠な課題となっている。
首都キーウと北部プリリュキにおける人的被害の拡大
首都キーウや北部の都市では、住宅や施設への直撃により多くの死傷者が発生している。ウクライナ当局の発表によると、今回の各所の空爆によりこれまでに計11人の死亡が確認された。内訳はキーウ市内で2人、北部チェルニヒウ州のプリリュキ市で4人、中部のポルタバ州で2人などとなっている。キーウのクリチコ市長は、空爆による共同車庫の火災現場から2人の遺体が発見されたとテレグラムで報告した。また、チェルニヒウ州プリリュキではロシアのミサイルが5階建ての住宅ビルを直撃し、その場で4人の死亡が確認されたほか、20人が負傷した。がれきの下にはさらに多くの住民が埋もれている可能性があり、救助活動が続けられている。
ロシア国防省が発表した軍需・港湾施設への攻撃
ロシア国防省は、キーウなどウクライナ各地の軍需・産業施設に対して高精度兵器や無人機を用いた大規模な攻撃を実施したと発表した。同省の主張によれば、キーウ、チェルニヒウ、キロボフラード、ドニプロペトロウスク、ポルタバ、ハルキウの各州に存在するウクライナの防衛技術企業「ファイヤーポイント」の施設が攻撃対象となった。これらの施設では巡航ミサイル「フラミンゴ」や中・長距離ドローンが製造・保管されていたとしている。さらに、オデーサ州の港湾および船舶修理のインフラ施設に加え、ウクライナ軍の作戦支援に利用されていたとされる船舶も標的になったとロシア側は説明している。
各地の都市で相次ぐ工業施設や集合住宅の損傷
各地の当局者がテレグラムで伝えた情報によると、ミサイルやドローンの直撃により住宅や産業基盤の破壊が広がっている。南東部のドニプロでは空爆によって工業施設が大きな被害を受けた。さらに、ザポリージャの輸送インフラやクレメンチュクの集合住宅も損傷し、市民生活に直結する基盤が脅かされている。ロイターの記者も首都キーウ市内で激しい爆発音を確認しており、住民らは地下鉄駅構内などの防空壕へ避難を余儀なくされた。ウクライナ側はロシアの弾道ミサイル迎撃を最大の課題として挙げており、防空能力の増強が急務となっている。