国際的に承認されているイエメン政府のラシャード・アル・アリーミー大統領は4日、反政府武装勢力フーシ派が支配する全地域の奪還を目指し、全面戦争を行うと軍事作戦の開始を発表した。首都サヌアの奪還や国家機関の権限拡大を狙う政府軍と、各地で勢力を拡大するフーシ派の間で激しい戦闘が続いている。
イエメン政府による全面戦争の宣言と軍事作戦の開始
イエメンのラシャード・アル・アリーミー大統領は4日、テレビ演説を通じて共和国の残りの領土を奪還し、国家とその機関の権限を国土全体に拡大するための軍事作戦を開始すると発表した。イエメンでは首都サヌアが10年以上にわたり、イランの支援を受ける反政府武装勢力フーシ派に支配されている。政府軍はフーシ派の弱体化を狙い、サヌアを継続的に攻撃するほか、北部拠点のサアダ県など国内各地で軍事行動を展開していると報じられている。
政府軍の攻勢とフーシ派による主要補給路の遮断
イエメン政府は3日、サヌアやサアダ県、南西部タイズ近郊のフーシ派拠点などを標的として攻撃を行ったと発表した。しかし治安筋によると、フーシ派は勢力を拡大し続けており、先月の攻勢では重要航路であるバブ・エル・マンデブ海峡を含むイエメンの海岸線を制圧している。AFP通信によると、政府側が掌握するタイズ市と暫定首都アデンを結ぶ重要な補給路が4日にフーシ派によって遮断され、同市は事実上包囲された状態にある。
サウジアラビア主導連合軍との空爆の応酬とアラムコ施設への攻撃
現地ではフーシ派と、サウジアラビアが主導する連合軍の間で空爆の応酬が続いている。フーシ派の広報担当は4日、サウジアラビア主導の連合軍による空爆が12時間で50回あったと発表し、その報復として同国東部の国営石油会社アラムコの施設を弾道ミサイルとドローンで攻撃したと述べた。フーシ派側は両作戦とも目的を達成し、狙った場所で大規模な火災を引き起こしたと主張しているが、サウジアラビア政府はこの攻撃に対してコメントを出していない。
暫定政権に対するサウジアラビアの支援と紅海を巡る戦略的対立
アル・アリーミー大統領率いるイエメン暫定政権はサウジアラビアの支援を受けているため、今回の戦争開始の発表は事前にサウジアラビアの了承を得ていた可能性が高いと見られている。サウジアラビアは経済的な生命線である石油施設がフーシ派からの絶え間ない攻撃にさらされている。フーシ派は先月の電撃的な攻勢で紅海沿岸の全域を制圧し、サウジアラビアがホルムズ海峡に代わる石油輸出ルートとして紅海を利用するのをブロックした。この戦略はフーシ派の主要支援国であるイランにとって利益となった一方で、サウジアラビアとの直接的な軍事衝突への回帰をもたらしている。