アリーミ議長が全土奪還に向けた軍事作戦を宣言
イエメン暫定政権のアリーミ大統領評議会議長は4日、フーシ派が実効支配する地域の奪還を目的とした大規模な軍事作戦を開始すると発表した。アリーミ氏は演説の中で「共和国の残りの領土を奪還し、国家とその機関の権限を国土全体に及ぼすための軍事作戦の開始を宣言する」と述べ、軍や治安部隊、すべての軍事組織に対して承認済みの計画に基づく任務遂行を命じた。ロイターが報じた。
停戦合意の崩壊と緊張の激化
2022年に合意された停戦は長らく維持されてきたが、今年に入り事態は急変した。アリーミ氏は、フーシ派が紛争沈静化の取り組みに応じず、サウジアラビアの船舶や石油インフラを標的としたミサイル・無人機攻撃を繰り返していると非難した。事態を打開する可能性が尽きたことが、今回の軍事作戦決断の背景にあると説明している。
フーシ派によるサウジアラビアへの報復攻撃
軍事作戦の発表に呼応するように、フーシ派も攻撃を強めている。フーシ派は4日、サウジアラビアの首都リヤドや東部クライスの国有石油会社サウジアラムコ施設に対し、弾道ミサイルと無人機による攻撃を行ったと発表した。
- フーシ派の主張:サウジアラビア主導の有志連合軍が過去12時間でイエメン国内に50回以上の空爆やミサイル攻撃を行ったことへの報復である。
- 攻撃の経緯:フーシ派は前日3日にも、リヤドのアラムコ施設をミサイルと無人機で攻撃したと発表していた。
サウジアラビアの介入と国際的な支援の呼びかけ
サウジアラビアは2015年、フーシ派によって首都サヌアを追われた国際的に承認された政府を支援するため、アラブ連合軍を率いて内戦に介入した。アリーミ氏は演説で、長年続くサウジアラビアの軍事・経済的な支援に対して謝意を表明した。その上で、地域の同盟国や国際的なパートナーに対し、イエメン暫定政権とその軍へのさらなる支援を改めて呼びかけている。
今後の軍事衝突が懸念される情勢
中東地域や西側の当局者がロイターに語ったところによると、サウジアラビアがフーシ派に対する軍事作戦を計画していることは以前から示唆されていた。9月16日に公開された提供映像では、フーシ派の戦闘員が撃墜を主張するサウジアラビアの戦闘機の前に立つ様子が確認されており、両者の対立は深刻さを増している。今後、暫定政権による奪還作戦とフーシ派による報復攻撃が激化することで、イエメン情勢は予断を許さない状況が続く見通しだ。