アンドルー元王子が2月の逮捕に関連し、警察の捜索令状を不服として起こした訴訟で、テムズ・ヴァレー警察は令状の一部が違法だったと高等法院で認めた。王室メンバーが司法を相手取る異例の事態に、英国王室は苦慮している。
令状の違法性を警察が認める
イギリスのテムズ・ヴァレー警察は2026年10月8日、アンドルー元王子(マウントバッテン=ウィンザー氏)の自宅捜索に使用された令状について、法的根拠に誤りがあったことを高等法院の司法審査で認めた。BBCによると、ニコラス・ヒリアード判事は、捜索令状が違法であったとの両者の合意を認定した。警察側は、捜索前日の審理で適用された法律の条文に不備があったことを明らかにしている。ただし、令状の無効化が捜査そのものの終結を意味するわけではなく、警察による刑事捜査は今後も継続される見通しだ。
1649年以来の異例な法的闘争
英国王室専門家のリチャード・フィッツウィリアムズ氏は、今回の訴訟について「英国王室の一員が自国の司法を相手取って訴えを起こすのは、1649年のチャールズ1世の裁判以来のこと」と指摘した(madamefigaro.jp)。王室と司法の間には「王室も法に従う」という暗黙の了解が存在しており、今回の動きはその原則を揺るがすものとして英国国内で波紋を広げている。チャールズ3世は弟の逮捕直後、当局への「全面的な協力」を明言しており、王室が司法手続きに干渉しない姿勢を一貫して示してきた。
国王による経済的支援の拒絶
アンドルー元王子の反撃に対し、チャールズ3世は厳しい態度を崩していない。複数のメディア報道によると、国王は側近に対し、自身の私有財産から支給している手当を、警察との訴訟費用には充てさせないと伝えたとされる。ELLEデジタルは、国王が王子の負債を肩代わりした事例として、ロイヤル・ロッジ退去に伴う違約金など約150万ポンド(約3億円)を支払ったことを報じた。しかし、今回の訴訟費用については、王室として元王子の行動から距離を置く姿勢を鮮明にしている。
サンドリンガムでの孤立と強気な姿勢
称号を剥奪され、サンドリンガム領地内の新居マーシュ・ファームで生活を送る元王子にとって、今回の訴訟は自身の名誉を回復するための「第一歩」であると周囲に語っている。ライブドアニュースが伝えたところによれば、元王子の友人は「彼はいつか自分が完全に無罪になると確信している」と証言した。かつての住居であるロイヤル・ロッジから押収された証拠資料には、機密文書が含まれている疑いがあり、警察側はそれらが捜査に不可欠であると主張している。

今後控える証拠の取り扱いを巡る審理
警察が押収した書類や電子機器を今後も保管できるかどうかについては、非公開の審理が予定されている。法律上、警察は捜索時に押収した資料について、捜査に「相当な価値」があることを裁判所に納得させなければならない。特に弁護士とのやり取りなど、秘密性の高い資料の扱いが争点となる見込みだ。BBCによれば、押収物を証拠として採用できるかどうかの審理は来年に予定されており、アンドルー元王子と警察の間の法廷闘争は長期化する様相を見せている。
