ヘンリー王子とメーガン妃が、カリフォルニアでの6年間の生活を経て英国へ拠点を移す準備を進めていることが明らかになった。夫妻はモンテシートの邸宅とポルトガルの別荘を保持しつつ、9月からは子供たちを英国の学校に通わせる予定だが、王室の公務に復帰する計画はない。
英国への帰還と新たな生活拠点の構築
英国王室を離脱し、2020年から米国カリフォルニア州で独自のキャリアを築いてきたヘンリー王子とメーガン妃が、再び英国へ活動の軸足を移そうとしている。関係者によると、夫妻は9月からの新学期に合わせて子供のアーチー王子とリリベット王女を英国の学校に入学させる手続きを進めており、すでにこの夏は家族や友人と英国で過ごし、滞在期間を延長する決断を下したという。夫妻は将来的に英国でのプライベートな居住地を確保する意向だが、王室の公務や称号に戻る計画はないとハリウッド・リポーターが報じている。

この決定は、夫妻が米国で追求してきた「アメリカン・ドリーム」の節目を象徴するものとして注目されている。夫妻は、2,900万ドル(約42億円相当)とされるモンテシートの邸宅やポルトガルの不動産は維持する見込みだが、生活の基盤を英国へ戻す動きは、米国エンターテインメント業界における彼らの立ち位置の変化を浮き彫りにした。
ネットフリックスとスポティファイとの契約の軌跡
2020年、王室離脱直後の夫妻は、世界中のメディアから熱烈なオファーを受け、ネットフリックスと推定1億ドル規模の契約を締結した。この契約は、ドキュメンタリーや脚本作品を含む広範なプロジェクトを想定したものであったが、その実績には明暗が分かれている。

最も高い成果を上げたのは、夫妻自身の経験を語ったドキュメンタリーシリーズ『ハリー&メーガン』だった。一方で、その他のプロジェクトは苦戦を強いられた。アニメーション作品『パール』は制作前にキャンセルされ、ポロを題材にしたドキュメンタリーなどは期待された視聴数を記録できなかったとガーディアンは伝えている。また、スポティファイとの2,000万ドル規模のポッドキャスト契約も、コンテンツの生産量の少なさを理由に2023年に解消されている。
メーガン妃のライフスタイルブランド「As Ever」の現状
変化するメディア環境と「アメリカン・ドリーム」の現実
専門家は、夫妻が直面した苦難を、現代のメディア環境の劇的な変化に関連付けている。かつてのようなトップダウン型の発信だけでは成功が約束されない時代において、王室という肩書き以上に、コンテンツの競争力が厳しく問われるようになった。

「彼らはかつて、ハリウッドで誰にでもアクセスできる並外れた取引と、極めて限られた人しか得られない世界的な注目を集めていた。しかし6年が経過した今、状況は劇的に異なり、彼らのアメリカン・ドリームは本質的に砕け散った」 情報筋、ヤフー・エンターテインメントの報道より
ソーシャルメディアコンサルタントのマット・ナヴァラ氏は、彼らはハリウッドで考えうる限りのあらゆる優位性を持って到着したが、現在の視聴者は無限の選択肢を持っていると指摘する。また、メディアアナリストのエヴァン・シャピロ氏は、かつてメーガン妃が俳優として活躍した時代と現在を比較し、次のように分析している。
「その時代は過ぎ去りました。(今は)本当に厳しい。競争相手は文字通り地球上の全人類です。携帯電話を持ち、メーガン・マークルと競い合っている80億人が競争相手なのです」 エヴァン・シャピロ、メディアアナリスト
ヘンリー王子自身も、昨年ガーディアンのインタビューで英国への愛着と帰国への願望を語っていた。夫妻が今後、英国を拠点としてどのような活動を展開していくのか、その詳細は依然として不透明な部分も多いが、彼らが王室の枠組みの外で独自の道を歩もうとする試みは、新たなフェーズへと移行している。