ウクライナのゼレンスキー大統領の故郷であるクリヴィーリフで21日、ロシア軍によるショッピングモールへの攻撃が発生し、少なくとも14人が死亡、121人が負傷しました。救助活動中に2度目の攻撃が行われる「ダブルタップ」攻撃が確認されており、被害者には22人の子供が含まれています。
クリヴィーリフでの攻撃:2段階の「ダブルタップ」戦術
ドニプロペトロウシク州軍事行政局のオレクサンドル・ハンジャ局長によると、死傷者数は当初から増加傾向にあり、現場の商店街では火災が発生しました。また、クリヴィーリフの地方行政トップであるオレクサンドル・ヴィルクル氏も死者14人、負傷者121人という数字を報告しており、その中には22人の未成年が含まれていることが明らかになっています。
ロシア軍によるドローン攻勢と各地の被害状況
今回のクリヴィーリフでの惨劇は、ロシア軍による大規模なドローン攻撃の一環として発生しました。ウクライナ軍の発表によれば、ロシアは一晩で合計135機のドローンを投入し、16の拠点を攻撃対象としました。ウクライナ軍は、そのうち107機を撃墜または無力化したとしています。
他の地域でもロシア軍による攻撃が続いています。ザポリージャ州のイヴァン・フェドロフ知事は、コミシュヴァハ村でロシアの誘導航空爆弾が直撃したことにより46歳の女性が死亡したと報告しました。また、ハルキウ州のレビアジェ村ではドローン攻撃により73歳と66歳の女性を含む4人が死亡しました。ハルキウ州のオレグ・シニェグボフ知事は、これらの攻撃が住宅地で火災を引き起こしたと説明しています。
軍事的な応酬と戦線の膠着
ウクライナ側も反撃の姿勢を強めています。ゼレンスキー大統領は、今回のショッピングモールへの攻撃をテロ行為にほかならないと断じ、加害者に対して実質的な圧力をかけることで相応の対応をすると表明しました。ウクライナ軍は、ドネツク州やロシアが2014年に不法併合したクリミア半島において、ロシア軍のドローン保管施設、物流拠点、通信施設などを攻撃したと報告しています。

さらに、ウクライナ軍は国境から約1,600キロ離れたロシアのペルミにある石油精製所や、ヴォルゴグラード州のマリノフカ軍事飛行場に対してもドローン攻撃を実施しました。ロシア国防省は、これに対してロシア領内15地域とクリミア上空で合計536機のウクライナ製ドローンを迎撃したと主張しています。
長期化する紛争の現状
戦況について、アナリストらはロシアとウクライナ双方の長距離攻撃が激化していると分析しています。約1,250キロに及ぶ前線では、多数のドローンや地上ロボットが配備されており、歩兵や車両の移動が厳しく制限されています。特にロシア軍は、ウクライナ国内の防空システム、とりわけ米国製のパトリオット・ミサイル迎撃システムの不足を突き、ミサイルやドローンによる攻撃を強化しています。

国連の報告によれば、7月にはキーウなどが集中的な攻撃を受け、死傷者が急増しました。ウクライナ当局の狙いは、ロシア国内の深い場所を攻撃することで、ロシア国民に戦争の現実を感じさせ、プーチン大統領に対して和平交渉への圧力をかけることにあるとされています。しかし、現時点でプーチン大統領が侵攻を停止する兆候は見られません。
クリヴィーリフは、2022年の全面侵攻開始以来、ロシア軍の頻繁な標的となってきました。2025年4月には、今回の事件と同様に多数の犠牲者が出る攻撃が発生し、子供を含む20人が死亡するなど、軍事的な重要性とゼレンスキー大統領の故郷という象徴的な意味から、厳しい状況が続いています。