サウスカロライナ州選出のリンゼイ・グラハム上院議員の急逝を受け、同州で行われた連邦上院議員補欠選挙の共和党予備選は、8月11日に投開票が行われ、亡き議員の妹であるダーリン・グラハム氏と、現職下院議員のラルフ・ノーマン氏が決選投票へ進出することが決まった。
ダーリン・グラハム氏、共和党上院予備選の決選投票へ進出
今回の予備選は、7月11日にリンゼイ・グラハム氏が急逝したことを受け、その残任期間および次期6年任期を務める候補者を選出するために実施された。サウスカロライナ州の規定では、予備選で過半数(50%)を獲得した候補者がいない場合、上位2名による決選投票が行われることとなっており、今回は8月25日に実施される予定である。
開票速報によれば、ダーリン・グラハム氏が33%の票を獲得して首位に立ち、24%を獲得したノーマン氏が続いた。
トランプ前大統領の支持と「リンゼイの遺産」
ダーリン・グラハム氏は、兄の死後、ヘンリー・マクマスター知事によって残任期間を埋める暫定的な上院議員として任命された。その後、ドナルド・トランプ前大統領の強力な支持と奨励を受け、正式な任期を求めて立候補を表明した。

トランプ氏は、月曜日に開催されたテレラリー(電話集会)において、ダーリン・グラハム氏こそが兄の遺産を引き継ぐのに最もふさわしい人物であると強調した。トランプ氏は、「彼女は見た目は穏やかだが、実際にはタフで強い。私たちの『アメリカを再び偉大に(Make America Great Again)』という使命を達成する助けとなるだろう」と述べ、自身の全面的な支持を改めて表明した。
ダーリン・グラハム氏は、障害者福祉分野でのキャリアを持ち、直近ではサウスカロライナ州盲人委員会の委員長を務めていた。選挙戦においては、兄が外交政策を重視したのとは対照的に、生活費の問題や国内問題への注力を掲げている。
激戦の背景とノーマン氏の台頭
今回の予備選は10名が立候補する混戦となった。決選投票に進出したラルフ・ノーマン氏は、2017年から下院議員を務める共和党の保守派で、下院自由議員連盟(House Freedom Caucus)の副委員長としても知られている。

ノーマン氏は、シャーロット近郊の共和党支持者が多い選挙区を地盤としており、州内の保守派から根強い支持を受けている。同氏は選挙戦を通じて、連邦債務の削減などの財政保守主義を訴えてきた。また、トランプ氏が支持する「セーブ・アメリカ法案」への支持を表明するなど、保守的な姿勢を強調している。
決選投票に向けた今後の展望
8月25日の決選投票の勝者は、11月の本選挙において民主党候補の小児科医アニー・アンドリュース氏と対決することになる。サウスカロライナ州は共和党が伝統的に強い地盤であり、本選挙においても共和党候補が有利であると予測されている。
今回の予備選では、ラッセル・フライ下院議員やマーク・サンフォード元知事らも立候補していたが、いずれもノーマン氏に及ばなかった。ダーリン・グラハム氏は、兄の知名度とトランプ氏の支持を背景に首位を維持したものの、対立候補からは公職経験の不足を指摘する声も上がっていた。

トランプ氏は予備選の結果を受けて、ダーリン・グラハム氏が自身に電話で謝意を伝えたことを明らかにした。今後の選挙戦について、トランプ氏はグラハム氏の応援に駆けつける可能性を示唆しつつも、ノーマン氏を含む他の共和党候補らについても「彼らは皆トランプ派だ」と述べ、党内の結束を促す姿勢を見せている。
今回の補欠選挙は、リンゼイ・グラハム氏という長年の重鎮を失ったサウスカロライナ州の共和党にとって、その影響力と路線をどのように継承または刷新するかを問う重要な試金石となっている。