2026年7月下旬、サウスカロライナ州の上院補欠選挙の共和党予備選を控え、ドナルド・トランプ前大統領がリンジー・グラハム故上院議員の妹であるダーライン・グラハムを支持したことをめぐり、州内の保守派活動家や有権者の間で強い反発と議論が巻き起こしている。
リンジー・グラハムの急逝とダーラインの出馬
サウスカロライナ州では、長年上院議員を務めたリンジー・グラハムが今月初めに急逝したことを受け、州知事ヘンリー・マクマスターが障害者支援施設で働いており政治的公職の経験がなかった妹のダーライン・グラハムを暫定的な後任として指名した。
当初の任期は2027年早々に終了する予定であったが、ダーラインは同年の任期満了に向けた6年間の正式な議席を争う特別予備選への出馬を突如表明した。
この動きに対し、ワシントン・ポスト紙の報道によると、ドナルド・トランプ前大統領は彼女の出馬を強く後押しし支持を表明したものの、州内の有力な保守派活動家の間では、政治的実績よりも家族のつながりを優先した「身内びいき」ではないかとの懸念と反発が広がっている。
しかし、政治的な投票記録がこれまでほとんど存在しないことや、過去の献金先が州内の完全な中絶禁止法案を阻止した女性共和党議員であったという事実が発覚したため、保守派の間ではその信憑性を疑問視する声も根強い。
エマソン大学およびネクスター・メディアによる最新の世論調査結果
立候補の届出締め切り後に行われたエマソン大学とネクスター・メディアによる最新の世論調査(7月28日から29日にかけて確率ベースのパネルとテキスト手法を用いて500人の共和党予備選有力有権者を対象に実施、誤差率はプラスマイナス4.3パーセント)では、候補者たちの複雑な支持動向が鮮明になっている。
調査によると、連邦下院議員のラルフ・ノーマンが22パーセントの支持を集めて首位に立ち、これに19パーセントのダーライン・グラハムが続き、ラッセル・フライ下院議員が12パーセント、元州知事のマーク・サンフォードが11パーセントで追う展開となっている。

| 候補者氏名 | 所属・立場 | 世論調査の支持率 |
|---|---|---|
| ラルフ・ノーマン | 連邦下院議員 | 22% |
| ダーライン・グラハム | 前議員の妹・暫定上院議員 | 19% |
| ラッセル・フライ | 連邦下院議員 | 12% |
| マーク・サンフォード | 元サウスカロライナ州知事 | 11% |
上位陣の混戦により過半数を獲得する候補者がいないため、選挙は8月11日の一次投票から同月25日の決選投票へと持ち込まれる公算が大きいとみられている。
また、有権者の4分の1にあたる25パーセントが依然として投票先を決定しておらず、選挙戦の行方は流動的である。
トランプの支持が有権者に与える影響と主要な争点
エマソン大学のデータによれば、トランプ前大統領によるダーライン・グラハムへの支持について、回答者の53パーセントは「投票行動に影響を与えない」と回答しており、支持を増やすとした有権者は29パーセント、逆に支持を減らすとした有権者は18パーセントにとどまった。

州内の有権者が最も重視しているのは経済問題であり、特別選挙の有権者の60パーセントが次期上院議員は経済に焦点を当てるべきだと答えており、移民問題(19パーセント)、医療(8パーセント)、外交政策(4パーセント)がそれに続いている。
物価高に関する責任の所在については、共和党予備選有権者の41.6パーセントが前大統領のジョー・バイデンを最も責任があるとし、企業(19パーセント)、トランプ前大統領(18パーセント)、連邦議会(13パーセント)の順となった。
一方でガソリン価格に関しては、トランプ前大統領を挙げる声が32パーセント、バイデン前大統領を挙げる声が27パーセントとなり、有権者の間で評価が分かれている。
今後の選挙日程と注目される対決のゆくえ
クイーン・シティ・ニュースの報道によると、特別予備選挙の投票日は8月11日に迫っており、決選投票が必要となった場合は8月25日に実施される予定である。
選挙戦に立候補した12人の候補者のうち、公開討論会の開催を求める有権者の割合は88パーセントに達しており、候補者たちが公の場でいかに自身の政策をアピールするかどうかが今後の大きな焦点となる。
最終的に選出された次期上院議員は、2027年1月1日から連邦議会での任期をスタートさせることになっており、保守王国サウスカロライナ州における激しい党内抗争の決着に注目が集まっている。