国際サッカー連盟(FIFA)は、ワールドカップ期間中および決勝戦後の行動をめぐり、アルゼンチンサッカー連盟(AFA)ならびに複数の個人メンバーに対して規律処分手続きを正式に開始した。Cbsニュースによれば、手続きの対象となったのは、決勝戦後の混乱や政治的なメッセージを含むバナーの掲示、ならびにサポーターによる差別的なチャントや投擲行為など多岐にわたる。
アルゼンチンサッカー連盟と選手にFIFAが規律処分手続き
決勝戦後の乱闘と選手・スタッフへの処分内容
ニューヨーク・ニュージャージー・スタジアム(メットライフ・スタジアム)で行われたスペインとの決勝戦は、アルゼンチンの0-1の敗戦に終わり、試合終了直後には両チームの選手間で乱闘などの騒動が発生した。BBCおよびESPNによると、FIFAの規律・倫理検察官の推薦を受け、以下の個人に対して調査と処分手続きが行われている。
* レアンドロ・パレデス(MF):暴行に関する3つの容疑 * ナウエル・モリーナ(DF):暴行に関する2つの容疑およびスポーツマンらしからぬ行為に関する1つの容疑 * ロベルト・アジャラ(アシスタントコーチ):暴行に関する1つの容疑 * チアゴ・アルマダ(MF):スポーツマンらしからぬ行為に関する容疑
なお、スペインのガビ選手も同様にスポーツマンらしからぬ行為の容疑がかけられている。スポーツイラストレイテッドによると、FIFAの規律コードでは、スポーツマンらしからぬ行為には少なくとも1試合、暴行には少なくとも3試合の出場停止処分が科される規定となっている。
フォークランド諸島(マルビナス諸島)を巡る政治的バナーの掲示
個人への処分のほか、アルゼンチン代表チームが準決勝のイングランド戦勝利後に掲げたバナーについても処分対象となっている。ガーディアンの報道によると、選手らはアトランタでの試合後、「Las Malvinas son Argentinas(マルビナス諸島はアルゼンチンのものだ)」と記された看板を掲げた。
南大西洋に位置する同諸島はイギリスの海外領土であり、アルゼンチン側は「 Islas Malvinas(マルビナス諸島)」と呼称している。1982年には両国間で10週間に及ぶ戦争に発展した歴史的経緯がある。FIFAの規律コードでは「スポーツイベントを非スポーツ的な性質のデモンストレーションに利用すること」を禁止しており、今回のバナー掲示がこれに抵触したとされている。
AFAに対する網羅的な規律違反の追及
FIFA規律委員会は、アルゼンチンサッカー連盟に対し、複数の条文に違反したとして手続きを進めている。スポーツイラストレイテッドの伝えるところでは、これには以下の項目が含まれている。

* 第13条第2項c(非スポーツ的な性質のデモンストレーションへのスポーツイベントの利用) * 第14条第5項(チームの不正行為) * 第15条(差別および人種差別的侮辱) * 第17条(試合における秩序と安全)
さらに、大会期間中の複数の試合における「差別的なチャントやジェスチャー、キックオフの遅延、試合およびセキュリティプロトコルの不履行、チームや観客による不適切なメッセージの掲示、観客による物品の投げ込み」なども調査の対象となっている。
今後の手続きと裁定の見通し
FIFA側は、処分対象となったすべての関係者に対し、それぞれの立場や主張を提示する機会が与えられたと発表している。Cbsニュースによると、弁明の機会を経た上で、FIFA規律委員会が適当な時期に最終的な決定を下す方針である。現時点では調査がいつ完了するか、また最終的にどのような処分が下されるのかについては明らかにされていない。
