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2024-12-24 10:10:00
半導体事業の肝は投資判断と在庫リスクにある。
投資の遅れは生産量と技術の両面でリスクを生む。一方で投資した生産ラインのコントロールは、日常的な収益性を直撃する。
熊本県合志市の工場について「具体的に装置をいつ搬入するかに関しては非常に難しくて、今も頭を悩ましている」と高野CFOは言う。
2024年度第2四半期のソニー決算資料。
出典:ソニーグループ
ソニーの半導体事業は、過去に何度も大きな危機があった。
中でもイメージセンサー需要の読み違えによる過剰在庫と減産は、ソニー全体の業績に影響を与え、業績予測の下方修正もあった。それだけに、株式市場は「在庫リスク」に目を光らせる。
コロナ禍での半導体不足のように世界中が巻き込まれる「事故」もあるが、経営とシェアの安定には、さまざまなリスクを読んだ経営が必須になる。
SSSは現在、状況分析と戦略立案について「専任部隊を設けている」(高野CFO)という。その情報を生かし、動きも加速した。
「頻繁に状況を見ながら物事を判断するようになったのは比較的最近のことです。見直しの頻度が、昔は1年に1回でした。
でも今は、何か起こればすぐに対応します。場合によっては、計画自体を1年に3回、変えながら回します」(高野CFO)
ただ、高野CFOは「我々は恵まれている」とも言う。
「判断は非常に重要ですが、我々が比較的恵まれているのは、いろんな領域でナンバーワンのお客様との関係が深いこと。リスクは正直測りがたい。
ただ当然、リスクは私たちだけのものではなく、お客様にとってもリスクです。彼らとも常に対話し、情勢とその影響に関する情報を集めています」(高野CFO)
付加価値維持のカギは「パートナー」と「R&D」

ソニーグループは、CMOSイメージセンサーに2018年度から2023年度までの6年間で約1.5兆円の投資をしている。
出典:ソニーグループ
SSSの戦略の柱は、イメージセンサーでトップメーカーの地位を確保し続けることにある。SSSの収益性は「高付加価値のイメージセンサーの販売数量が増える」ことに担保されている。
スマートフォンにおいて、「多眼化」と「大判化」という2つの付加価値サイクルが回るうちは好調が維持できるだろう。
問題は、この状況がいつまで続くかという点だ。
「イメージセンサーの出荷数自体は、なかなか伸びない。ずっと『ニーズが落ちていく』と言われています。
しかし雪崩を打ってニーズが下がっているわけではない。技術的な進化に応じてお客さんの期待値が上がって、依然として進化している領域なんです」(高野CFO)
一方で、ハイエンドスマートフォン自体の高価格化もある。その中でのコスト圧力はどうだろうか?
「価格の面は難しいです。しかし、スマートフォンの価格に対するセンサーの価格の比率を考えた時に、センサーの価格が10%上がったからといって、それがハイエンドスマートフォンの製品価格にいかほどありますかというと、ドラスティックなものではないですね。
大事なのはやっぱり、市場でトップが張れるような技術。それが提供できることが『先端』なんだと私は思っています」(高野CFO)

JASMのホームページ。
出典:TSMC
熊本県菊陽町には、TSMCの子会社であり、SSSやデンソーも少数株主として参画する「JASM(Japan Advanced Semiconductor Manufacturing)」がある。2024年内には操業開始の予定であり、SSSの熊本ファブも、JASMとの技術や部品供給などの連携ありきで計画が成り立っている。
そしてこうも話す。
「その上で、基礎研究の部分については、エンジニアが安心して取り組めるように担保するのが私の仕事だと思っています」(高野CFO)
こうした全体計画のコントロールと維持をどう続けるかが、SSSとソニーグループの今後を決める。
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