2026年8月12日、北米の広範囲で部分日食が観測されます。今回の現象では、月が太陽の一部を遮ることで、太陽が三日月のような形に見える部分日食が、カナダの大部分やアラスカ、およびアメリカ北部の地域で発生します。
今回の日食では、北極付近から始まり、グリーンランド、アイスランド、スペイン、およびポルトガルの一部を通過する経路で皆既日食が観測されます。この皆既帯は幅182マイルの回廊となっており、最大で2分18秒間、太陽が完全に隠れます。欧州大陸において皆既日食が観測されるのは1999年以来となります。また、NASAは今回の現象をライブストリーミングで配信する予定です。
北米主要都市での観測予測
アメリカやカナダの多くの都市で部分日食が観測可能であり、NASAが提供した各都市の最大カバー率と時間は以下の通りです。
| 都市 | 最大カバー率 | ピーク時間(現地時間) |
|---|---|---|
| セントジョンズ(ニューファンドランド・ラブラドル州) | 53% | 午後3時35分 |
| アンカレッジ(アラスカ州) | 28% | 午前8時21分 |
| バンゴー(メイン州) | 24% | 午後1時53分 |
| モントリオール(ケベック州) | 18% | 午後1時45分 |
| ニューヨーク市 | 9% | 午後1時54分 |
| トロント(オンタリオ州) | 8% | 午後1時40分 |
| フィラデルフィア | 7% | 午後1時53分 |
| ウィニペグ(マニトバ州) | 5% | 午後12時02分 |
| ワシントンD.C. | 4% | 午後1時53分 |
| デトロイト | 3% | 午後1時36分 |
また、ノースカロライナ州の東部および一部の中部でも観測されます。例えば、キティホークでは1.72%のカバー率が記録され、州内で最大となります。一方、ダラムやローリーなどのトライアングル地域ではカバー率が0.01%にとどまる見込みで、月が太陽をわずかに「かじった」ように見えます。なお、ノースカロライナ州の西部およびダラムより西の大部分の地域では、日食は観測されません。
観測のタイミングとメカニズム
今回の日食は8月の新月のフェーズ中に発生します。通常、月の軌道のわずかな傾斜により、月の影は地球を外れますが、8月12日は月が太陽と地球のほぼ完璧な直線上に並ぶため、地球に影が投影されます。

部分日食の開始を示す「ファーストコンタクト」は、アメリカ東部時間(EDT)の午前11時34分、アラスカ州の上空で最初に観測されます。ノースカロライナ州のダラムでは午後1時51分、ローリーでは午後1時52分に始まり、午後1時55分に最大カバー率に達した後、午後2時までに終了すると予測されています。
安全な観測方法と注意点
部分日食の際、太陽を直接見ることや、太陽フィルターのない双眼鏡、望遠鏡、カメラを通して観測することは、深刻な眼への損傷を引き起こす可能性があるため厳禁です。たとえ太陽のカバー率が低い場合であっても、認定された日食グラス(太陽観測用グラス)の使用が推奨されています。

直接的な観測以外的方法として、木の葉の隙間から漏れる光によって地面に三日月形の影が現れる現象や、キッチンストレーナーやコランダー(水切りボウル)をピンホール投影機として利用する方法があります。
今後の日食スケジュール
北米では2017年にオレゴン州からサウスカロライナ州にかけて、また2024年4月8日にはメキシコからカナダまで至る広大な経路で皆既日食が観測されました。2024年の日食では、メキシコのマサトランで最初の皆既が始まり、推定4,400万人が観測しました。
次回の北米全土を横断する皆既日食は2045年まで待つ必要があります。また、アメリカ全土で観測可能な次の皆既日食は2044年8月23日に予定されています。一方、スペインでは来年8月に、北アフリカや中東とともに、より長い時間の皆既日食を体験できる機会が訪れます。