女子ゴルフの国内ツアー「富士通レディース」最終日が18日に千葉県の東急セブンハンドレッドクラブで行われ、鈴木愛がツアー通算23勝目を挙げた。昨年の最終戦以来となる勝利を支えたのは、長年使い続けるピン製のクラブと、シーズン中に変えない徹底した道具へのこだわりだった。
最新ドライバーにフジクラ製シャフトを組み合わせた理由
バッグの中身は、ツアー本格参戦の14年から一貫してすべてピン製で固められている。昨年の最終戦からほとんど変わっていない中身の中で、ドライバーだけは今年2月に発売されたピン史上最大の慣性モーメントを誇る『G440 K』の最新モデルを採用した。今年のオフに行ったテストで少しつかまりが強かったため、シャフトにはフジクラの『ベンタス ブルー』を投入している。フジクラの担当者は「先端が動くシャフトを使っていましたが、中元調子系のVENTUS BLUEを試したところデータもフィーリングも良くなり採用されました」と説明しており、開幕戦から実戦で活躍している。
入手困難な10年前のウェッジ用シャフトを再利用する執念
ドライバー以外のシャフトでは純正品を使うことが多い鈴木だが、ウェッジにささる『CFS』シャフトはかなり以前のモデルであり、現在は在庫すべくない代物となっている。リカバリー率上位を誇る鈴木の生命線の一つであるこのシャフトについて、ピンの担当者は「10年前ほどのモデルで、いまは売っていません。アメリカに少しだけストックがある状況で、鈴木選手のためにキープしてもらっています」と明かす。使わなくなったウェッジのシャフトを回収して再利用するなど、貴重なパーツがなくならないようチーム全体で大切に管理を続けている。
パット数1位を支えるパター選びとボールのライン廃止の決断
今季はパター選びで迷いがなかったことも好調の要因となっている。これまで何本も変えては戻しを繰り返してきたが、今季はメジャー王者も使用するピンの『スコッツデール ALLY BLUE ONSET』を1本だけ使い通した。さらに、スコアメイクに直結するパッティングでは大きな変化もあった。ボールに書いたラインを打ち出したい方向に合わせていたものの、6月からはその線をスパッと廃止した。「10年ぶりくらいに白紙で打った。そこから3連続くらいで入ったから、そこから1回もやっていない」と振り返り、これが今季1ラウンドあたりの平均パット数1位の裏側にある。女子オープンの際には、フェースの向きを正確に把握するために4万円ほどのレーザーが出る機械を購入して練習に活かしたという。
永久シード獲得まであと7勝に迫る中、円熟味を増した32歳のベテランは確かな理論と厳選されたギアとともにツアーの第一線で戦い続けている。