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米最高裁が新会期を開始、気候変動やAR-15禁止など政治的論点に注目

ジョン・ロバーツ最高裁判所長官率いる最高裁は、8人の同僚判事に囲まれ、東部標準時午前10時に2件の口頭弁論を予定して公開審理を開始した。今期の注目は、保守派6名とリベラル派3名という構成が、宗教、銃規制、環境、移民といった極めて政治的な問題にどのような影響を与えるかにある。 新会期の口火を切る主要案件の一つが、Suncor Energy (U.S.A.)…

米最高裁が新会期を開始、気候変動やAR-15禁止など政治的論点に注目

ジョン・ロバーツ最高裁判所長官率いる最高裁は、8人の同僚判事に囲まれ、東部標準時午前10時に2件の口頭弁論を予定して公開審理を開始した。今期の注目は、保守派6名とリベラル派3名という構成が、宗教、銃規制、環境、移民といった極めて政治的な問題にどのような影響を与えるかにある。

Suncor Energy事件と気候変動への法的責任

新会期の口火を切る主要案件の一つが、Suncor Energy (U.S.A.) 等が関わる、気候変動による被害について石油・ガス会社に責任を問う連邦政府と州の紛争である。原告であるボルダー郡の郡委員およびボルダー市は、気候変動を悪化させた役割について、エクソンモービルとサンコア・エナジーの3つの事業体をコロラド州裁判所に提訴し、損害賠償を求めていた。

「理論的には、被告であるエネルギー企業が長年にわたって大衆を欺いてきたということになります」

Deepak Gupta、ハーバード法科大学教授・弁護士

AR-15禁止と修正第2条の適用範囲

今期は、AR-15のような特定の半自動ライフルを禁止する州法と、銃の権利をめぐる審理が行われる。2008年のヘラー判決において、最高裁は修正第2条が「所有する種類」の武器に限定されることを明示した。一方で、2012年のサンディフック小学校銃撃事件、2015年のサンバーナーディーノ攻撃、2017年のラスベガス銃撃事件、2017年のサザーランド・スプリングス教会銃撃事件、2018年のマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校銃撃事件など、米国の多くの悲劇的な大量銃撃事件で使用されてきたこれらの武器が非常に危険であることは否定できない。

米最高裁が新会期を開始、気候変動やAR-15禁止など政治的論点に注目
写真:latimes.com

「最も重要な問いは、誰があなたが持つ銃を決めるのかということです」 Erin Murphy、銃所有者の代理人を務める弁護士

セント・メアリー・カトリック教区事件と信教の自由

11月3日に審理されるSt. Mary Catholic Parish事件では、州が宗教学校を納税者資金による就学前選択プログラムから除外できるかが争点となる。コロラド州のユニバーサル就学前プログラムは、公的資金を出す条件として、宗教、性的指向、ジェンダーアイデンティティに関わらず平等な入学機会を提供することを求めている。これに対し、2つのカトリック教区就学前学校とデンバー大司教区は、入学時に家族の性的指向やジェンダーアイデンティティを考慮しなければならないという宗教的信念があるとして、この要件に対する差し止め請求訴訟を起こした。

Supreme Court's new term begins today. Here's what to know.

前会期において、最高裁は別の事件でこの問題について意見が分かれた。エイミー・コニー・バレット判事が利益相反のため回避した結果、4対4のタイ投票となり、宗教的なチャータースクールへの納税者資金提供を禁止したオクラホマ州最高裁の判決が自動的に維持された。しかし、今期はバレット判事が参加するコロラド州のケースでこの問題が再浮上しており、最高裁が宗教学校に完全な納税者資金提供の権利を認める可能性がある。

トランプ政権の政策と「シャドウ・ドケット」の影響

今期は、トランプ政権による強硬な政策への法的挑戦も相次いでいる。特に、正規の審理を経ない緊急命令である「シャドウ・ドケット」を通じた暫定的な承認が目立っている。トランプ政権の司法省は、2025年以降、最高裁に提出した緊急案件の70%以上で勝訴している。

The Supreme Court’s New Term, and a Race for Nuclear Power on the Moon

また、移民問題では、本国が受け入れを拒否した場合に、過去に接点のない「第三国」へ移民を強制送還できるかという点について審理が行われる予定だ。さらに、400億ドルの予測市場を運営するKalshi社に対する州の規制権限をめぐるケースも、最高裁に持ち込まれる可能性がある。

司法の正当性と低下する支持率

最高裁に対する公衆の信頼は低下しており、Fox Newsの調査では、職務承認率は過去最低の33%まで下落し、不承認率は過去最高の61%に達した。また、判事が保守的すぎると考える割合は45%に達し、2022年の34%、2015年と2010年の16%から上昇している。

こうした状況を受け、民主党のハキーム・ジェフリーズ院内総務は、全米黒人ジャーナリスト協会に対し、「劇的な最高裁改革が必要である」と主張している。具体的には、判事の任期を18年に制限することや、判事数を現在の9名から13名以上に増やすなどの改革が提案されている。

最高裁は今期、夏休み前に26件の審査を決定し、その後さらに1件を追加した。しかし、ジョージタウン大学のステファン・ヴラデック教授が指摘するように、トランプ政権下で緊急申立の数は急増した一方で、十分な準備と口頭弁論を経た事件は激減している。スタンフォード大学のパム・カーラン教授は、政府側が「負ける可能性のある事件は取り上げたくないが、一方ですべてを最高裁まで持ち上げたいと考える上司(大統領)がいる」状況にあると分析している。

最高裁は今期、すでに27件のケースの審査を決定しているが、これは前2会期で署名付き意見が出された58件のケースと比較して、今期のドケットの半分に満たない。判決は2027年6月末までに出される予定である。

執筆者について: nipponese

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