ドナルド・トランプ米大統領は、ホワイトハウスにおけるボールルームおよび軍事複合施設(Ballroom/Military Complex)の建設を継続させるという最高裁判所による重要な勝訴を得ました。同時に、ホワイトハウスはダン・ドリスコル陸軍長官が18カ月間の任期を経て辞任することを明らかにしました。
最高裁が建設継続を許可、法的根拠は「原告の資格」
米国最高裁判所は月曜日、5対4の緊急判決により、地上部分の建設を停止させていた下級裁判所の決定を差し止める判断を下しました。これにより、ホワイトハウスのボールルーム建設は無期限に継続することが可能となります。この決定は、8月21日にジョン・ロバーツ最高裁判所長官が出した一時的な命令に続くものです。
本件は、ナショナル・トラスト・フォー・ヒストリック・プリザベーション(National Trust for Historic Preservation)が、トランプ大統領に議会の承認なしに建設を進める単独権限はないと主張して提訴していました。しかし、最高裁の多数派は、同団体が訴訟を提起するために必要な「法的資格(standing)」を確立できていない可能性が高いと結論付けました。裁判所は、単なる「不快感、不一致、または嫌悪感」は具体的な法的損害には当たらないとして、同団体の主張を退けています。

一方で、ロバーツ長官は3人のリベラル派判事と共に反対意見を表明しました。ロバーツ長官は、議会が連邦政府の敷地内への構造物建設を認める「明示的な権限」を付与する法律を可決していないことを指摘し、今回の建設はlikely unlawful
(おそらく違法)であると述べ、今回の決定は権力分立にとって勝利ではないと批判しました。
ボールルームおよび軍事複合施設の詳細と現状
このプロジェクトは、地上に9万平方フィートのボールルームを建設し、地下に広範な軍事施設(バンカー)を併設する計画です。ホワイトハウスは、ボールルームをガラや国賓晩餐会の開催に必要とし、地下施設については国家安全保障上の必要性を強調しています。司法省の弁護士は8月14日の提出書類の中で、大統領に対する暗殺未遂や最近の脅威を挙げ、この統合軍事複合施設はvitally required by national security
(国家安全保障に不可欠)であると主張しています。

プロジェクトの現状と計画の詳細は以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 建設進捗 | 8月24日時点で65%完了(250人が1日20時間体制で稼働) |
| 推定コスト | 4億ドル(一部メディアは最大6億ドルと報道) |
| 資金源 | トランプ大統領は「愛国者や企業」による民間資金で納税者の負担はないと主張 |
| 完了予定 | 2028年夏 |
トランプ大統領は自身のTruth Socialにおいて、このプロジェクトが予算内で予定より早く進んでおり、ワシントンD.C.で建設されるGreatest ever constructed
(史上最高)の建物の一つになると自信を示しました。
陸軍長官ドリスコルの辞任と軍指導部の混乱
政治的な動きの一方で、ダン・ドリスコル陸軍長官がトランプ大統領に辞任願を提出したことが、米政府高官およびホワイトハウスによって確認されました。ドリスコル氏はJ.D.ヴァンス副大統領の友人であり、18カ月間同職を務めました。
ホワイトハウスのアンナ・ケリー報道官は声明で、ドリスコル氏がロシアとウクライナの交渉支援や、準備態勢と殺傷能力の重視を復活させるなど、トランプ大統領の「Make America Strong Again」アジェンダを推進する上でhighly effective
(非常に効果的)であったと評価しました。

しかし、ドリスコル氏の辞任は、ピート・ヘグセス国防長官との間で数カ月にわたり緊張関係にあったと報じられています。陸軍の指導部は混乱しており、4月にはランディ・ジョージ将軍が、6月には欧州・アフリカ担当のクリストファー・ドナヒュー将軍が予期せず退任しました。現在はクリストファー・ラネーヴ将軍が陸軍参謀総長代行を務めており、ドリスコル氏が推進していたドローン近代化プログラムの中止を指示したことが伝えられています。