長期化する物価高と根強い不満
米中間選挙の争点となっている長引く物価高と経済情勢について、ワシントン時事が9月4日報じた。トランプ政権が進めるインフレ対策は、高関税政策に起因するカナダとの通商摩擦や、米イラン紛争によるガソリン高騰が災いして効果が乏しく、生活実感の改善には至っていない。連邦準備制度理事会(FRB)の目標である2%を超えるインフレ率が5年以上も続いており、有権者の間に根強い不満が広がっている。.
底堅さを維持する米国経済の現実
人工知能関連の投資活発化や個人消費の好調さを背景に、米国経済は底堅さを維持している。4月から6月期の実質国内総生産は前期比2.2%増となり、改定値から0.7ポイント上方修正された。連邦準備制度理事会の高官は、AI投資が今年の成長を支え続けるとの楽観的な見方を示している。しかし、マクロ経済の堅調さとは裏腹に、高止まりする物価が家計を圧迫し続けているのが実態である。
広がる世論の批判と巨額の現金給付案
NBCテレビが実施した世論調査によると、トランプ大統領の政策が経済に悪影響を与えていると答えた割合は55%に達した。ガソリン高による家計への圧迫を受け、別の連邦準備制度理事会高官はいら立ちを感じる有権者が増えていると指摘している。こうした中で有権者の歓心を買いたいトランプ氏は、選挙戦で共和党が上下両院を制した場合、成人の全国民に5000ドルを支給するとぶち上げた。だが、連邦政府の債務拡大に歯止めがかからない状況下での大規模な支給は、国の信認を揺るがす懸念を強めている。
異例の国債買い戻しと約3年ぶりの高水準
住宅ローン金利に波及する長期金利の押し下げは、政権にとっての重要課題となっている。ベセント財務長官は金利を抑え込むため、長期国債の買い戻し拡充という異例の措置を導入した。しかし、複数の要因が絡み合い、長期金利はむしろ急上昇する結果となった。連邦住宅貸付抵当公社は10月1日、30年固定型住宅ローン金利が直近1週間平均で7.28%と、約3年ぶりの高水準を付けたと発表している。
冷え込む景況感と中間選挙への波紋
金利上昇は消費の冷え込みに直結するため、景況感のさらなる悪化が懸念されている。物価高や金利高への対応が後手に回れば、政権に対する有権者の不満が一層高まるのは必至である。長引くインフレと金利高止まりが米中間選挙の結果や今後の政権運営にどのような影響を与えるのか、引き続き金融市場や世論の動向が注視されている。