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米下院、最高裁判事数を9人に固定する憲法修正案を否決 民主党が反対

アメリカ下院は、最高裁判所の判事定数を9人に固定する憲法修正案の採決を行った。民主党議員の大部分が反対票を投じたため、可決に必要な3分の2の賛成票に届かず否決された。共和党側は保守派の多数派を守る狙いがあったが、民主党の法廷拡張論との対立が先鋭化している。…

House Democrats block amendment to cap Supreme Court at 9 justices

アメリカ下院は、最高裁判所の判事定数を9人に固定する憲法修正案の採決を行った。民主党議員の大部分が反対票を投じたため、可決に必要な3分の2の賛成票に届かず否決された。共和党側は保守派の多数派を守る狙いがあったが、民主党の法廷拡張論との対立が先鋭化している。

アンディ・ビッグス議員が主導した9人制固定化の憲法修正案

連邦最高裁判所の判事数を9人に固定することを目指す憲法修正案の採決が、下院で行われた。提案者はアリゾナ州選出のアンディ・ビッグス下院議員(共和党)である。共同決議案は憲法を改正し、アメリカ最高裁判所を1人の首席判事と8人の陪審判事の計9人で構成すると規定することを目指していた

採決の結果は賛成212票、反対206票となり、可決に必要な3分の2の多数に達しなかった。共和党指導部は、民主党が将来的に議会の過半数を握った場合に最高裁の判事数を増やして司法の構成を恣意的に変える、いわゆる「コート・パッキング(裁判所パッキング)」を警戒し、これを阻止するための布石として審議を急ピッチで進めた。マイク・ジョンソン下院議長は、ルールの停止という手続きを用いて複数の手続き上のハードルを迂回させた上で、法案を本会議に持ち込んだ。

アンディ・ビッグス下院議員はFox Newsの報道の中で、すべての国民が自らに投げかけるべき疑問として、現政権を担う多数派が下した判事の判断に不満を抱いた瞬間に最高裁の規模を変更できるのであれば、次に他方が権力を握ったときにはどうなるのかと指摘し、一度その道に進んでしまえば、最高裁は政府の権力に対する独立した歯止めではなくなり、たまたま多数派を握っている者によって支配される単なる政治機関になってしまうと述べている。

下院民主党の反対と、高まる最高裁拡張論の背景

採決では、ノースカロライナ州選出のドン・デイヴィス議員を除くすべての民主党議員が反対に回った。下院少数党院内総務カトリーネ・クラークの事務所は投票に先立ち、議員らに対し反対票を投じるよう呼びかけていた。クラークの事務所側は、この提案された憲法修正案が最高裁判事の数を9人に永久的に固定し、アメリカ国民の代表である議会から本来持っているはずの権限を剥奪するものだと主張した

US House LIVE: Congress Moves to Lock Supreme Court at Nine Justices in Major Constitutional Push

一方で、最高裁判所の規模をめぐる議論は、かつては左派の過激な主張とみなされていたが、近年の保守派多数派による判決を受けて民主党の主流派へと浸透しつつある。6対3の保守派多数派は、人工妊娠中絶の権利を認めたいわゆるロー対ウェイド判決の破棄や、投票権法の弱体化、大統領の公的行為に関する免責特権の付与などを決定してきた。

民主党内では、最高裁の判事数を現在の9人から13人へと増員すべきだという意見が公然と語られるようになっている。元下院多数党院内総務のジム・クライバーン議員(民主党)は、テレビ番組のインタビューで13人という数字について「ベーカーズ・ダース(13個)は裁判所に置くのに良い数字だ」と述べ、拡張支持の立場を鮮明にした。2024年の大統領選で民主党の候補者であったカマラ・ハリス前副大統領も、最高裁を13人の判事に拡張する点を再検討する必要があると発言している

ジェイミー・ラスキン議員と進歩派による共和党案への批判

審議の過程では、議会の権限や司法の独立をめぐって激しい応酬が繰り広げられた。メリーランド州選出のジェイミー・ラスキン下院議員(民主党)は、歴史的に見ても最高裁の判事数が一貫して9人だったわけではないと指摘し、共和党の動きを批判した。歴史を振り返れば、合衆国憲法は最高裁の定数を定めておらず、Judiciary Act of 1789では6人とされていた定数は、その後およそ1世紀の間に増減を繰り返して最大10人になった経緯がある

米下院、最高裁判事数を9人に固定する憲法修正案を否決 民主党が反対
Photo: Nbcnews

ラスキン議員はさらに、共和党側の提案を「党派的な権力強奪」と表現し、ミッチ・マコネル前上院共和党院内総務によって形作られた現在の偏った最高裁の構成をそのまま固定化する意図があるとして反発した。

憲法解釈と今後の政治的争点

憲法修正案が発議されるには、上下両院でそれぞれ3分の2以上の賛成が必要となる。今回の下院採決ではその閾値に及ばず、共和党が懸念する事態を防ぐための法的な防壁作りは失敗に終わった。進歩派の司法擁護団体であるデマンド・ジャスティスのジョシュ・オートン代表は、ジョン・ロバーツ首席裁判長率いる多数派への不満が国民の間で高まっており、最高裁改革は2028年の大統領選挙に向けた主要な争点の一つになるとの見方を示している。

House Delays Vote On Enshrining Supreme Court At 9 Justices Through Constitutional Amendment

司法の独立と政治的勢力による影響力をめぐる対立は、今後の国政選挙や議会運営においても緊迫したテーマであり続ける。

執筆者について: nipponese

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