米コーネル大学で2024年に発生した男子学生社交クラブでの集団性的暴行事件を巡り、大学側の対応への批判が強まっている。被害女性が民事訴訟を起こしたことを受け、教職員からは大学運営陣への不信任動議が提出される事態となり、大学は元司法長官代行のサリー・イェーツ氏を起用し、独立した検証を開始した。
集団性的暴行事件の経緯と民事訴訟の波紋
2024年10月19日夜、コーネル大学の男子学生社交クラブ「カイ・ファイ(Chi Phi)」の施設で、当時2年生だった女子学生が集団性的暴行を受けた。中央日報日本語版によると、被害女性は友人の誘いで同社交クラブを訪れた際、酒やマリ・ファナ、麻酔薬のケタミンを投与され、意識を失った状態で複数の学生から暴行を受けたという。事件後、被害女性は大学警察に届け出たものの、当時のトンプキンス郡検察は証拠不十分として刑事訴追を見送った。しかし、被害女性が先月、加害者とされる男子学生7人や社交クラブを相手取り民事訴訟を起こしたことで、事件は再び公の議論となった。
大学運営陣に対する教職員の反発と不信任案
コーネル大学の対応に対し、学内では説明責任を求める声が噴出している。CNNによると、大学側がオンライン説明会で、訴訟で名前が挙がった学生のうち2人が現在も在籍し、講義に出席していることを認めたことで教員らの怒りが頂点に達した。これを受け、教員らはマイケル・コトリコフ学長ら運営陣に対する不信任投票を求める決議案を提出した。6日の説明会で、学生やキャンパスライフを担当するロンバルディ副学長は「世界から注視されていることは分かっている」と述べたが、具体的な改善策の提示は不十分であり、学生や地域住民による抗議集会や座り込みが続いている。
独立検証の開始と元司法長官代行の起用
事態の深刻化を受け、大学側は外部の専門家による調査に踏み切った。ロイターによると、コーネル大学は性的暴行事件の予防と対応を詳細に検証するため、元司法長官代行のサリー・イェーツ弁護士を起用した。イェーツ氏は2015年から17年に司法副長官および司法長官代行を務めた経歴を持ち、過去には全米女子サッカーリーグにおける性的虐待疑惑の調査も担当している。大学理事会の特別委員会は、イェーツ氏が調査において「完全な独立性」を持つことを保証しており、大学の管理体制や社交クラブ文化のあり方が厳しく問われることになる。
社交クラブの文化と今後の対応
コトリコフ学長は当初、社交クラブの役割を「真剣に検証する」と表明したが、その後、一律の禁止措置に対しては慎重な姿勢を見せている。学長は「これがフラタニティーだけで起きているわけではない」と指摘し、大学の施設外でのパーティーや、目の届かない場所でのトラブルに対する懸念を表明した。一方で、ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事は、検察側の当初の対応について「信頼が失われた」と批判し、レティーシャ・ジェームズ州司法長官を特別検察官に任命して再捜査を指示している。

「すべてのジェーン・ドウに正義を」「被害者を支援し、加害者を退学させろ」
(中央日報日本語版が報じた、キャンパスでのデモ参加者が掲げたプラカードの文言)
司法と大学による再調査の行方
現在、キャンパスでは被害女性との連帯を示す「ジェーン・ドウ(Jane Doe)」運動が拡大しており、学生や教職員数千人が参加する大規模なデモが繰り返されている。大学側は独自の検証を進める一方、司法当局による再捜査も並行して行われる見通しだ。ニューヨーク州イサカの市長も市議会を通じて社交クラブの活動停止を提案する構えを見せており、大学運営陣は厳しい法的および社会的な監視の下で、組織の透明性と学生の安全確保に向けた抜本的な改革を迫られている。