代理出産の手口を通じて21人の子どもを集め、自宅で虐待していたとして、米国カリフォルニア州の裕福な中国人移民の男女が6日に逮捕された。ロサンゼルス郡地方検察庁などが発表した。
アーカディアの邸宅で発覚した児童虐待の実態
ロサンゼルス郡のネイサン・ホックマン地方検事によると、逮捕されたのはアーカディアの広大な邸宅に住む郭軍宣容疑者(66)とシルビア・張容疑者(39)。子どもらは残忍なベビーシッターから日常的に暴行を受けており、夫妻は監視カメラのネットワークを通じてその様子を眺め、あざ笑っていたとされる。夫妻は全米で代理母となる女性らを募集し、家族を増やすためもう一人子どもを探しているだけだと騙していたという。
パサデナ裁判所での罪状認否と検察側の主張
6日にパサデナ裁判所で行われた罪状認否で、夫妻は中国語の通訳を介して無罪を主張した。ロサンゼルス郡のホックマン地方検事は午前の記者会見で、「この事件は前代未聞であり、実におそろしい。幼い子どもたちが受けた身体的虐待、暴行、不当な罰は卑劣きわまりない」と語っている。検察側は、容疑の重大性と逃亡の恐れがあることから1人当たり1億ドルの保釈金を要求した。
膨大な資産と多様なパスポートの保有
マッケンジー・テイムーリ副地方検事によると、夫妻は200以上の個人口座と70の法人口座を所有し、年間の送金額は2億5000万ドルに上るという。二人とも米国、メキシコ、中国のパスポートを所持しているとされるが、捜査当局はそれらがすべて真正なものかどうか特定していない。捜査員が自宅内を捜索したところ、一つの口座に7000万ドル以上が入っている銀行残高証明書のほか、計1000万ドル近くに相当する骨董品の彫刻や特別な酒類などの資産が見つかっている。
保釈金の設定と弁護側の主張
ロサンゼルス郡高等裁判所のケリー・ホワイト判事は保釈金をそれぞれ2000万ドルに設定し、自宅軟禁および子どもらへの接近禁止命令を言い渡した。夫妻の弁護人を務めるミッチェル・クレムス弁護士は、被告らが問われている容疑の性質に対して保釈金額は不当であると主張した。車椅子で出廷した張被告は白血病を患っており、骨髄移植からの回復過程にあるとクレムス弁護士は述べている。
「マーク・サロガシー」を通じた代理母募集の手口
虐待の通報を受け、昨年この豪華な邸宅から15人の子どもが保護され、別の場所に住んでいたさらに6人も特定された。子どもらの年齢は生後2カ月から13歳までに及び、大半が1歳から3歳であった。警察は、張被告が1人か2人の子どもを出産し、残りは代理母が出産したとみている。ホックマン地方検事によると、夫妻は自宅で「マーク・サロガシー」という代理出産斡旋機関を設立・運営していた。