済州島で相次ぐ遺体発見と警察の失踪届虚偽処理問題が、外国人観光客の増加に伴う治安への懸念と重なり、地元住民の反発を招いている。済州道観光協会の統計では韓国人客が減少する一方、外国人客は前年比で10.9%増加しており、島内の光景は変容を遂げている。
外国人観光客の急増と変容する島の風景
9月中旬に済州島を訪れると、平日にもかかわらず多くの観光客で街はにぎわっていた。しかし、その顔ぶれは以前と明らかに異なっている。済州市の中心部や繁華街では、中国語やベトナム語、インドネシア語などが日常的に飛び交うようになった。飲食店やレンタカー店などの案内表示も韓国語と中国語、東南アジア諸国の言語が併記されるのが当たり前となっている。特に中国人観光客をターゲットにしたサービスが目立ち、島全体が「中国人の遊び場」になったとの冷ややかな声が地元住民から漏れるなど、観光地化の代償を指摘する声も少なくない。
入島観光客数に見る韓国人客の減少傾向
済州道および済州道観光協会が公開した統計によれば、今年8月の観光客数は前年同期比で0.1%減と横ばいだった。しかし、内訳を見ると大きな変化が浮き彫りになる。外国人観光客は26万8970人で前年同月比10.9%増となり、全体の20.1%を占めるに至った。対照的に、韓国人観光客は107万2403人で、前年同月比2.5%の減少となった。韓国人客の減少は5月から7月にかけても続いており、9月に入ってもその傾向は継続している。観光地としての構成比が確実に外国人、特に中国人へとシフトしている状況がデータからも読み取れる。
韓国銀行済州本部が分析する観光客減少の要因
韓国人観光客の減少について、韓国銀行済州本部は航空運賃の変動や国内線の供給減少が主な要因であると分析している。7月のデータでは、済州島を訪れた観光客総数は前年同月比で8万4000人減少した。この内訳として、韓国人観光客が9万人減る一方で、外国人観光客は6000人増加していると算出している。数字上は外国人客がカバーしているように見えるが、島内の経済構造や住民感情は急速な変化に追いついていない。
- 8月の外国人観光客数:26万8970人(前年同月比10.9%増)
- 8月の韓国人観光客数:107万2403人(前年同月比2.5%減)
- 全体に占める外国人比率:20.1%